「付き合いで保険契約をしたので、保険のことは外交員に任せっきりにしてある」
「将来が不安だからすすめられた保険に入っている」
日本では、皆保険制度が採用されていて国民は手厚い保険の補償で守られています。
しかし、難しい計算や複雑な知識の上に成り立っている保険の世界であるため、よく知らないで契約しているひとも多いですよね。
「相互扶助」の精神で助け合ってきた長い歴史がある金融商品といえます。
でも、現代の日本では賢く保険について知っているほど損をしないようにできています。
自分にあった保険を賢く選択し、不要な保険料は投資に回したり貯蓄したりしたいですよね。
お金について心配がある人は、現在の自分や家族の保険状況を把握することからはじめましょう。
保険加入が必要な人は大黒柱だけ!?本当に必要な保険は2つ。
「必要最低限の保険だけに入りたい」
そんな要望にお答えするなら、シンプルにこの2つの保険をおすすめします。
- 生命保険
- 就業不能保険
以上です。
しかも、入るのは家族の生活を支えている大黒柱の人のみです。
自転車によく乗る人は自転車保険、資産を持っている人は相続対策として年金保険に入る、というプラスαのおすすめもありますが「必要最低限」というならば、上記の生命保険と就業不能保険に絞られます。
それ以外の人は本当に保険に入らなくていいの?
という疑問はこのあと考えていこうと思います。
まずは、上記の2つの保険が必要な人について考えてみましょう。
ライフプランニングで必要な補償を見極める
具体的な保険商品について見る前に、保険に加入するときに見逃されがちなポイントをお伝えしたいと思います。
それは、「どのくらいの補償金額があれば、生活がなりたつのか?」を具体的な金額で考えることです。
FPの勉強をしたことがある人はまずライフプランニング表という人生に必要なお金を一覧表にして把握することを1番始めに勉強しますよね。
あまり、試験では重要ではないため忘れがちですが、実際にお金のことについて考える場合に有効な手法です。
すでに子どもが大きくなっている家庭や夫婦2人、独身、どのような状況の人であってもライフプランを考えておくことにはメリットがあります。
お金の心配を減らすだけでなく、生きがいを見つけたり、漠然とした不安を減らしたりする効果もあります。
例として子がいる夫婦のライフプランを取り上げてみます。
家族全員の年齢を記入したライフプラン表には、家族それぞれのライフイベントを記入していきます。
3大資金である次の3つや、
- 子どもの進学・教育費
- 住宅購入
- 老後の生活費
その他にも大きな金額がかかる次のようなイベントをあらかじめ予定しておきます。
- 子どもの結婚
- 海外旅行
- 親との同居・介護
- 車の購入
子どもの年齢に合わせて基本的な生活費も変わっていくでしょう。
そして、現金のインフレ率も考えて、おおまかな支出総額をリアルにシュミレーションすることができます。
数字を出すことは、インターネット上でもできますがライフプランの専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に一度相談することも有益です。
生涯設計を表にして、お金の計算まで予測しておくと漠然としたお金に関する不安はなくなり、目標金額を設定して貯めることもかんたんになります。
なにより、生涯設計ができていてはじめて、自分や家族に最適な保険を選ぶことができるのです。
保険に入るより前に、家族やあなたのライフプランを立てることで効率的な保険加入を考えることができて、結果的に大きな金額の節約になります。
生命保険
生命保険は、被保険者が死亡した場合に年金受取人に指定されている家族が死亡保険金を受け取ることができる仕組みになっています。
生活に必要なお金を稼いできてくれる両親が主な被保険者になるでしょう。
特に、結婚したばかりで貯蓄が少ない若い家族は生命保険にはいるとリスク管理になります。
なぜなら、小さい子供がいるとこれから生活費や教育費がかかるのに、収入の柱であった人がなくなると生活が成り立たなくなるからです。
ある程度の貯蓄があれば生活の立て直しは容易になりますが、結婚したばかり、20代、といった状況では万一の場合の備えは有効です。
20年の定期保険で掛け捨ての場合、30歳男性の保険料はそこまで高額ではありません。
ネットで申し込める保険の保険料が割安になっています。
例えば、オリックス生命の定期保険Bridge(ブリッジ)のシュミレーションをみてみましょう。
30歳男性の場合 | |
死亡保険金 | 1,000万円 |
保険期間 | 20年 |
月々の保険料 | 1,500円 |
オリックス生命保険株式会社|インターネット申込専用死亡保険(定期保険)Bridge[ブリッジ] (orixlife.co.jp)より
保険期間が10年の場合は、月々974円の保険料で死亡保険に加入できます。
もちろん、死亡保険金の金額はその家族の状況によって十分か、もっと金額を増やすかは変わります。ライフプランニングを行っていれば死亡保険金をどのくらいにすればいいかわかります。
就業不能保険
死亡しなくても、今まで収入を得ていた大黒柱が働けない状況になってしまう場合もあります。
国の年金保険制度には、働けなくなった場合に受け取れる傷病手当金や障害年金などの年金を受け取れる制度がありますが、公的年金だけで生活する場合、子どもの教育費や生活費が十分に賄えない可能性があります。
この場合も、ライフプランニングで想定している収入金額に近くなるような設計をした保険加入をしておくと人生を通してお金の心配が減ります。
養う人がいる場合、万一の場合に備えることは重要です。遺された家族が収入がなく、今までの生活ができなくなり路頭に迷ってしまうことを防ぎます。
特に子供が小さくて手がかかる年齢の場合、死活問題です。
どんなに死亡確率が低くても、事故や事件、災害にいつ巻き込まれるか誰にもわかりません。費用を払っても、遺された家族への補償を準備しておきたい場合には生命保険が有効です。
どんな保険に入っていますか?
今、自分や家族が加入している保険がいくつあるか答えられますか?
すべての保険契約を把握して改めて見直しをしてみませんか?
保険料を減らすことは、家計の節約になり、貯蓄が増やせるチャンスになるかもしれません。
「ご契約内容のお知らせ」を総チェックしてみよう
書類の確認は、意外と時間がかかる作業です。
コーヒーや好きなドリンクを手元に置いてリラックスしながらやっていきましょう。
保険契約を見直すときに次のモノを用意しましょう。
- 「ご契約内容のお知らせ」(あなたの保険契約内容がわかる書類)
- 通帳
- クレジットカード明細
- 給与明細
- 電卓
- メモ用紙
- ペン
- ライフプラン表(あれば)
「ご契約内容のお知らせ」は、保険契約をしている会社から毎年送られてきます。
もし、書類がない場合は、引き落としをしている通帳やクレジットカードの明細を確認しましょう。毎年、同じ金額で引き落としをしている保険があれば、保険会社に問い合わせます。
また、家族が加入している保険があるかもしれません。
両親が被保険者をあなたにして保険に加入している例もありますので、家族に保険契約状況を聞いてみましょう。
勤務先に保険契約がある場合もあります。会社で保険契約をしている場合、給与から保険料を天引きされていることが多いです。給与明細で毎月引き落としがある保険料がないか確認しましょう。入っていることすら忘れているものがあるかもしれません。
保険契約の見直し3つのチェックポイント
- 補償内容が被っている保険契約がないか
- 被保険者(大黒柱や収入を得ている家族)が亡くなった場合に、あなたの家族が今後生活するのに十分な金額の補償があるか。
- 医療保険に加入している場合、現在の貯蓄額と照らし合わせて本当に補償が必要か、保険料分自分で積み立てることで対応できるかどうかを考える
なんとなく「皆がはいっているから」「入っておけば安心だから」という理由で入っている人は、本当に必要な保険かもう一度見直して保険料を払う価値があるか考えてみましょう。
そして、逆に「イメージが良くないから入りたくない!」という理由だけで保険契約を考えていない人は自分の人生のリスクやお金について考える時間を持ってみましょう。
加入を検討する価値がある保険
万が一の備えには保険が有効です。
必ずくる「相続時」には保険が役に立つことがあります。
また、自転車保険の加入義務が地域によっては広がっています。
余裕があれば、考えておきたい保険について紹介します。
相続税がかかるかかからないか、微妙な資産を持っている人ほど対策が吉
「うちは、資産が少ないから相続対策なんて必要ないよ」
そうでしょうか?
相続税の基礎控除は年々減少し、法改正が重ねられており「財産は少ない」と思っていても、土地家屋の評価額が高いと、相続税を払わなければならないことがあるかもしれません。
相続税の基礎控除は次の通りです。
3000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人が3人の場合、基礎控除は4800万円です。
土地家屋の評価額が4,000万円だとしたら、現預金を含めて相続税の申告が必要になるかもしれません。
そんな時に、まとまった資金を年金保険として年金受取人を子や配偶者にしておくと生命保険控除が適用されます。
生命保険控除は次のように計算します。
500万円×法定相続人の数
法定相続人が3人いる場合、1500万円まで保険金が控除されるため、相続税が軽減されます。
現預金が2,000万円あり、そのうち1,500万円を年金保険として遺していたら、500万円分のみの評価でOKになります。
土地家屋4,000万円と現預金500万円、生命保険1,500万円の計6,000万円のみが相続財産の場合、基礎控除と生命保険控除で相続税は0円となります。
自転車保険の加入が義務化への流れ
自転車で人にケガをさせてしまった場合、高額な賠償金を払う事例が増えています。
高齢者が増えるにつれて、自転車や歩行者の事故が増えているのが背景にあると言います。
全国の市町村によっては、自転車保険への加入が義務付けられています。自転車保険の加入義務化は広がりつつあります。
- 損害保険
- 自転車保険
例えば、このように1億円以上の賠償責任が発生することもあります。
補償内容 | サイクル安心保険 (shougaihoken.info)より
自転車保険や損害保険の補償は高額ながら保険料は安いものが多くあります。
また、弁護士のサポートを受けられるサービスもあります。
クレジットカードの付帯保険にもあるので加入しておくと、万が一の場合に便利です。
保険契約が必須ではない人の特徴3つ
さいごに、保険契約が必須ではない人の特徴を3つ挙げました。
独身の人
葬式代が口座にあれば十分でしょう。
貯蓄が十分にある人
医療保険に入っている人は多いのではないでしょうか。
がんや特定疾病に備えているのもいいですが、かからなかった場合、大きく損をします。
かかった時の安心のために損をする可能性があることも覚えておきましょう。
300万円あれば、たいていの病気に対応できるといわれています。
病気にもよるし、選択する治療法にもよるでしょう。
しかし医療保険については保険料を積み立てて自分で運用した方が資金効率が高くなる可能性が十分あります。
養われている人
養われている人が亡くなった場合に、経済状況に大きく関わることはありません。
ただし、収入がない人が事故や事件に巻き込まれた場合に発生する損害賠償請求に対応する損害保険に加入を検討する価値はあります。
保険の世界は知識があるほど損をしない世界
自分がどのような保険に入っているか知っていますか?
日本は、まれにみる社会保険(国による保障)が充実している国と言われています。
事実、病気やケガ、出産、障害や生活保護など、様々なセイフティーサービスがあります。
どんな補償があるのか、わたしたちが自分で備える部分にはどのようなものがあるのかを把握するだけでも曖昧で不安を感じていた要素が減ります。
一度時間を確保して保険契約について考えてみませんか?
さあ、郵便物の中から自分の契約状況を集めてみましょう。