「小さな習慣」は、アメリカ在住の著者スティーブン・ガイズが2013年に出版した書籍の名前です。
原題「Mini Habits」をそのまま翻訳したシンプルな題名がついているこの本が主張していることはシンプルです。
「目標は、ばかばかしいぐらい小さくしろ!」(本書表紙より)
筆者は、この本を読んで運動習慣の大切さに気がつきました。
目標達成や習慣化したいことがなぜうまくいかないのか、という長年の悩みのヒントになったと感じています。
良い習慣を身につけたいと思っているのに、なかなか実行できないという悩みを持つ人に具体的な対策を教えてくれる本です。
副業を習慣化して成功するためのヒントとしても利用できるのではないでしょうか。
小さな習慣でランニングが習慣になった話
お正月に立てた「今年の目標」を達成できる人は約8%だと言われています。
残りの92%の人は、年明けのすがすがしく前向きな気持ちで設定した目標を諦めてしまった、ということになりますね。
「運動する習慣を身に着けたい!」
「タバコをやめたい」
「お菓子を食べ過ぎるのをやめたい」
「読書を習慣にしたい」
健康や人生にプラスになる習慣を身につけようとして、最初からうまくいった人はほんのわずかだといえます。
筆者も同様に、運動習慣を身につけたいと長年試行錯誤しているにも関わらず、なかなかうまくいきません。
運動習慣がなく、身体を動かすことが嫌いです。
でも、身体を動かすことを面倒くさいとさぼっていた影響で、冷え性、肩こり、筋肉がない、疲れやすい、などの不調を感じていたので変えたいと思っていました。
座っていることが好きで、じっとしている時間がほとんどで、足がむくんだり、冷え性がひどくなったりすると、運動をする、の繰り返しではダメだと思いながらも、運動習慣がない状態が続いていました。
現在は、じっとしている時間を少なくして、こまめに動いたり、時々ランニングをすることで身体を動かすことができるようになっています。
1キロを歩きながらジョギングするのが精一杯だった筆者が5キロを走りきれるようになったのは、習慣についての理解を深めて少しずつ実践したからだと感じています。
この本に書かれている考え方は、今までの習慣化できない自分の原因を科学的に理解し、無理のない習慣を少しずつ身につけよう、というものです。
運動習慣だけでなく、健康によい習慣、美容によい習慣、副業を続ける習慣、など人生のさまざまな分野で役に立つ習慣化の方法であると感じ、紹介してみたくなりました。
「ばかばかしいくらい小さな習慣」を積み上げることで、継続する力が身に付きます。
ランニングは、血行促進をはじめとした身体の健康維持だけでなく、脳を成長させ、思考をクリアにして認知機能を高める、メンタルがポジティブになりうつになりにくくなるなどの心の健康にも効果があります。
ランニングと脳の効果についてはこちらの記事をご覧ください。
小さな習慣は、誰にでもできる超実用書
著者について
「小さな習慣」の著者はスティーブン・ガイズ(Stephen Guise)さんといい、ブロガーから小さな習慣を実践して世界21か国語に翻訳された本書をはじめとしたベストセラー作家になった習慣化のプロです。
日本語に翻訳されているのは「小さな習慣」と「小さなダイエットの習慣」の2冊ですが、他に3冊の習慣や自己啓発の本を出版しています。
2013 小さな習慣
2015 how to be an IMPERFECTIONIST
2016 小さなダイエットの習慣
2019 ELASTIC HABITS
2022 THE MAGIC OF MOMENTUM
英語のみですが、本書のオンライン学習コースをUdemyで販売もしているようです。
「小さな習慣」は著者が実践した「毎日50ワード以上書く」という小さな習慣から誕生しました。
著者はブログを書くことから作家になったブロガーです。
小さな習慣が、仕事や創作の役に立つことは著者自身が証明してくれているといえるでしょう。
ネット上で文章を書く人が習慣化メソッドを使って本を書いている、という身近に感じる事例も筆者は親しみを感じて楽しく読み進めることができました。
本の概要
習慣化について書かれている本は本屋やストアで簡単に手に入りますよね。
なぜ、この本が特別おすすめだと思うのでしょうか?
筆者が、この本が素敵なと感じたポイントは2つあります。
- 科学的、身体的な根拠を丁寧に説明していること
- 習慣化は3つまでOKとしていること
科学的、身体的な根拠を丁寧に説明していること
この本は、著者の経験とともに「習慣とはなにか」という基礎的な知識を知ることから始まります。
全体が7章で構成されている本書の1〜5章までは、小さな習慣についての知識と論理的、科学的に習慣化を身につける方法について考察している部分です。
そして、最後の6・7章で実践的な内容を紹介しています。
「小さな習慣って具体的にどうやればいいの?」
と、結論だけを知りたい読者は6章のみを読めばやり方を知ることができます。
ですが、本書の大切な内容は、1~5章の著者の考え方とそれを裏付ける科学的事実の説明だと感じました。
自分の体験だけでなく、そこに根拠や他の人にも適応できる理屈を説明していることで読んだ人の納得感が増すのではないでしょうか。
習慣化は3つまでOKとしていること
習慣化したい物事は1つに絞るといいと言われています。
習慣化したいことの数が増えると、それだけ達成するまでの日数は長く必要になるからです。
ただ、小さな習慣は「ばかばかしいほど小さい目標」を設定して、期日は設けないというやり方であるため、最大4つまで同時に始めることができます。
「健康にいいこと」
「副業を始めること」
「美容にいいこと」
「本を読むこと」
など、やる気があるときはいくつも達成したいことがありますよね。
また、「これならできそうだ」と感じられる小さな習慣をそれぞれ設定するため、4つともできる気がします。
ハードルが低いほど、実は目標に近づきやすいということを実践で学べるといいます。
本書では、「ばかばかしいほど小さい習慣」として次のような例があげられています。
・腕立てを毎日1回する
・ジムに行く、または1分ジョギングする
・1日50ワード書く
・水に入ったグラスを手にとる
(第6章より抜粋)
また、習慣を設定する方法やくじけそうになるポイントでの対処法を詳しく説明してくれているので誰もが目標を達成できるのではないかと思わせてくれます。
小さな習慣の8つのステップについては第6章に書かれています。
ぜひ本書を手にとってじっくり取り組んでみてくださいね。
小さな習慣 スティーヴン・ガイズ(Amazonの書籍情報へ)
この本を読んで1番役に立った考え方
筆者にとって一番新鮮だった考え方は、次のものでした。
「習慣を身につけるには、モチベーションや感情に頼るのをやめること」
モチベーションや感情に頼らない、という考えが印象的だったのは「感情ややる気を出せば目標を達成できる」と考えていたからでした。
「やる気に頼らずにいかに行動するか」ということを簡単に簡単に、明解に、根拠を説明してくれています。
さらに、モチベーションに頼らないだけでなく「モチベーションはボーナス」という考え方は自分の行いを省みるきっかけになりました。
筆者は「ボーナス」がなければやらないという考え方をしていたので、行動や気分のムラに振り回されていたのだと理解できました。
モチベーションや感情がどんな状態であろうと「やることをやる」という意思の力を育てるための訓練をして小さな習慣を設定するのは、筆者にとってとても難しいことでした。
小さな習慣でも、です。
今でも、継続することは難しいと感じています。
一度、小さな習慣を達成してしまうと、満足して次の目標を設定することを怠ってしまうからです。
久しぶりに、本書を読み直し、新たに小さな習慣を設定しようと思いました。
小さな習慣を使って、ジョギングを5キロ走れるようになったので、他の習慣も身につけられるのではないか、と前に比べて小さな習慣への信頼が増しています。
筆者がランニングを習慣にした最初の「小さな習慣」は、次のものでした。
「ランニングウェアに着替えて家の外に1歩でる」
これで、1キロも走れなかった筆者は5キロ走れるようになりました。
走ること自体を習慣に設定しないことで、走ることへのプレッシャーを感じずに実行できたと思います。
1歩出て、すぐ家に帰ることもありましたし、歩いて散歩して帰ることは今でもあります。
基本的には朝やっていますが、起きれなかったときは夜にやってもいい、というゆるさも気に入っています。
小さな習慣はうまく行き始めても目標のハードルをあげないことでプレッシャーをかけずにいられるので心地よく習慣化できると感じています。
誰でも実践できる習慣化メソッド「小さな習慣」
「小さな習慣」をどんな人におすすめしたいか?と聞かれたら
「ちいさな子からお年寄りまで」という答えになります。
年齢を問わず、誰でも自分に合った小さな習慣を設定できます。
誰もが、これから達成してみたい夢や目標を持っているのではないでしょうか。
「小さな習慣」の方法なら、誰でも目標に向かう小さな習慣で行動を積み重ねていくことができるでしょう。
いつも、つまづいてばかりで中々やりたいことができない人に、特におすすめの1冊です。