「在宅ワークで気づいたら1日中イスに座っていることが増えた」
「副業をはじめて家でパソコン作業をする時間が長くなった」
自宅でのパソコン作業は、座りっぱなしになっていることが多いのではないでしょうか。
座り続けることは、健康リスクが高いといいます。
この記事では、デスクワーカーが気を付けたい病気のリスクについて調べました。
座り続けることの健康への悪影響はとても大きいといわれていますが、自分に合った対策をすることで逆に健康を促進する習慣にしてしまいましょう。
在宅ワークの健康リスクは座る時間の長さにある
在宅ワーク、といっても人それぞれ状況は異なるでしょう。
週に4日自宅で出勤日もある人や、ずっと家で一人で作業を続けるフリーランスの人など働き方もさまざまです。
ですが、共通して健康に悪影響を及ぼす次の3つの状態になりやすいといわれています。
在宅ワークの健康における3つのリスク
- 座りっぱなし
- 運動不足
- 脳疲労
座りっぱなし
日本人は座っている時間が特に長いといわれています。
世界20か国で1日に座っている時間の平均は5時間、日本人は7時間。
シドニー大学などのオーストラリアの研究機関が行った調査で判明しました。
わたしたちは、平均よりも2時間も多く座っている傾向が高い国民性があるといいます。
スポーツ庁のHPでも座りすぎについて注意喚起しています。
残業が多くある日本企業の風習が原因ではないかといわれていますが、在宅ワークでも同じことがいえるのではないでしょうか。
座ることは日常的に行っていますよね。
普段座ることで健康に悪いと感じることはあまりありませんが、どんなリスクがあるのでしょうか。
座る、という姿勢によって下半身を動かさない状態が長く続くことが健康に良くないのです。
血流が悪くなってしまう
エコノミー症候群も、狭い座席に長時間同じ姿勢で座り続けることで発症します。
「アクティブカウチポテト」
運動習慣があっても、座りすぎの時間がない人の寿命は短くなるといいます。
座って脚の筋肉を動かさずにいることで、全身の血流が悪くなり、代謝が悪くなったり、脳に血液が行きわたりにくくなって集中力が落ちたりします。
短期的には、血流が滞ってむくむとかぼーっとする程度ですみますが、
座りすぎの状態が長く続くと、内臓の働きに影響を及ぼして内分泌系のバランスが崩れやすくなる可能性があります。
また、次のような病気のリスクが高まります。
- 糖尿病
- 脳梗塞
- がん
- 高血圧
- 心疾患
運動不足
座っている時間が長くなると必然的に運動不足の状態といえます。
座りすぎると血流や筋肉の代謝が落ちて病気のリスクが高まることが世界中の研究によって明らかになってきていることがわかりました。
座りすぎの影響と運動不足の影響は別に考えた方が良さそうです。
座りすぎている人が運動でその影響を取り除こうとすると1日60分以上の運動が必要だといいます。
また、仮に立って作業していてもパソコン作業で同じ姿勢をとりつづけることで筋肉のこりや疲労は蓄積していきます。
運動で身体をほぐす必要は、どんな人にもあります。
特に、下半身がじっとしていることで
- 筋肉のこり
- 血行不良
- 姿勢が悪くなる
- むくむ
という状態が起こりやすくなります。
運動不足の状態が長く続くと、
- 疲れやすくなる
- 睡眠の質が低下する
運動不足の実感がある人は、多いのではないでしょうか。
通勤が必要ない分、時間が増えますが通勤で歩いていた距離や階段を上っていた筋肉は衰えていきます。
自宅から1歩も出ない状況が可能な人は対策が必要です。
脳疲労
脳を使いすぎると「脳疲労」という状態になります。
- 頭を使いすぎて疲れた
- 寝ても頭がスッキリしない
こんな時はありませんか。
在宅ワークで、まだ小さいお子さんが家庭にいたり、家事を平行して行ったり、常に横から話しかけられる環境などで作業をしていませんか?
マルチタスクをしている人は、特に脳が疲労しやすいと言われています。
家にいると、家のことが気になって集中するのに脳が余計に頑張っているかもしれません。
脳疲労はほうっておくとうつ病や頭に霧がかかったように感じるブレインフォグの原因になります。
「脳疲労」というのは脳が疲れていたり不調を感じていたりする状態を表す言葉であり、病名ではありません。
脳にはさまざまな神経回路があり、TPOに合わせて思考回路を使い分けています。
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN) | 通常、ぼんやりしている状態無意識でも活動できるようになってる歯を磨く食べるぼーっとしていてもできることよく考えずにできること内向き思考 |
セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN) | 意識的に意図して思考している地図を見ながら歩く文章を書く |
サリエンスネットワーク(SN) | 2つのネットワークを切り替える役割 |
脳疲労を起こす原因はDMNのときの内向き思考「ぐるぐる思考」があります。
- 考えてもどうしようもないこと
- 未来の不安
- 過去の後悔
- 人にどう思われているか
このような雑念は、考えることで脳のエネルギーを消費しています。
何もしていないのに疲れた
このようなときは雑念をぐるぐると考えてるかもいれません。
無意識に考えていることなので1度意識的に思考をチェックしてみましょう。
DMNの消費量をおさえたら本当にやりたいことに集中でき、疲労も軽減します。
将来の鬱病リスクを減らせるといいことがたくさんありそうです。
また、マルチタスクはCENを素早く切り替えているだけであるという説があります。
1つのことに集中している状態であるCENのときはシングルタスクです。
複数のことを同時に処理するマルチタスクにはDMNが働きます。
テレビの音を聞きながらスマホを操作して、家族と会話する。
現代は情報が過剰にあふれている状態が普通になっており、常にマルチタスクをしているかもしれません。
一度、どのくらいマルチタスクを行っているかを確認してみると脳の疲労の軽減につながります。
意識しないと無意識のうちにも脳を使い続けている現代の生活では「脳を休める」という時間を作ることが疲労予防につながり、健康リスクの低下につながります。
脳を休める時間を作ってみませんか。
メリットが多い在宅ワークの過ごし方になる健康習慣は?
意識的に健康のために時間を確保することは在宅ワークをする上で大切なことだと感じています。
自分で管理しないと気づかないうちに悪習慣になることが分かりました。
在宅ワークで健康リスクが高まる、という危機感を逆に健康的な習慣を身につけるために利用しましょう。
在宅ワークは動かないことができる環境である反面、動こうと決めたら動きやすい環境であるというメリットがあります。
小さな習慣を1つでも作って変えるだけで、プラスの積み重ねになっていきます。
自分で時間を作ることができる
会社での勤務は、人によってはこまめに動き回ることがあまり良いことだと思われない職場もありますよね。
一方で、在胎週数は人目を気にせずに作業中に小さな休憩をこまめにとりやすい環境といえます。
スキマ時間を利用して
- 運動
- ストレッチ
- 散歩
- 水分補給
など、小さな健康習慣を実践しやすいといえます。
対策を自分で見つけて習慣にする
- 座りっぱなしの状態を避ける
- 運動習慣をつける
- 脳を休める時間を作る
どれも小さな変化だけでできます。
小さな違いの積み重ねが健康には大きな違いにつながります。
今すぐできる健康のためにできること5つ
ここでは今すぐできる簡単な習慣を紹介します。
1回やるだけでは効果は薄いかもしれませんが、長期間続けることで健康に大きな違いがあるでしょう。
1.30分に1回立つ
2.30分に1回水を飲む
3.立ちやすい椅子に変える
4.背筋を伸ばして深呼吸をする
5.いい気分になることを5分
1.30分に1回立つ
コーヒーを淹れに立つ
立つタイマーをつける
定期的に立つためのアプリがありますし、
ポモドーロテクニックで25分や50分ごとの休憩時間は立って歩く、という自分のルールを作ると忘れずに足の筋肉を動かせます。
30分に1回は立ってみましょう。
2.水を飲む
立ったついでに水を飲むと効果が倍増します。
水は、脳の機能が低下するのを防ぎ、むくみの予防にもなります。
水分不足は血流にも脳機能にも影響します。
水をこまめに少しずつ飲む習慣は健康によいと注目されています。
水差しやウォーターボトルに1日分を水を用意して飲むのが流行っている界隈もあります。
一気に飲むのは逆効果です。
30分~1時間に200ml程度ずつこまめに飲むと身体への吸収がスムーズと言われています。
3.すぐ立てる椅子に変える
椅子の座りごごちにはこだわりがある人も多いでしょう。
1回座ると立ちたくなくなる椅子ってありませんか?
深くフィットする椅子
筆者は丸椅子を愛用しています。
気軽に立てますし、常に足が地面についています。
丸椅子はすぐに購入できます。
サブとして使ってみてはいかがでしょう。
在宅でのデスクワークの人は、買い替えやすいですね。
椅子をすぐ立てるものに変える
身体に負担がかからないものに変える
スタンディングデスクにする
椅子を変える
もしくは、環境を変えて行動を変えるのはいかがでしょうか
机と椅子の身体に負担の少ない座り方を考えましょう
4.背筋を伸ばして深呼吸する
なかなか立って体を動かしずらいタイミング
集中が切れてきたと思った瞬間にできることです。
姿勢を正して深呼吸をすることで脳に酸素が行きわたりますし、
上半身の筋肉が整い、疲れにくくなります。
正しい姿勢の例
- 骨盤を椅子と90度になるように立てる
- 背筋を緩やかに伸ばして下腹部に力を入れる
- あごを軽く引く
- 足を地面にしっかりつけられるところまで腰を移動する
- ひじが90度になるように椅子の高さを調整する
- モニター画面が目の前にくるとベスト
慣れたら一瞬で姿勢を正せるでしょう。
PCスタンドやモニターアーム、ひじの高さを調整できるクッションなどを利用してパソコン作業が楽になる姿勢を作るとぐっと楽になります。
5.5分でできる「いい気分になること」をリストアップする
考えない時間を5分つくる、と言われても「何をしよう?」という思考が始まってしまいますよね。
- コーヒーを飲んでぼーっとする
- 水を飲んでストレッチする
- 小さな散歩に出かける
- アイマスクをつけて横になる
- 瞑想する
5分やることのリストを自分で作ってみませんか
休憩5分をこまめにとってリラックスできることを決めておくと、脳が思考することをやめられて、脳の休息になります。
健康を守る小さな習慣を身につけよう
上記の5つのTipsでは「座りっぱなし」「脳疲労」を軽減する効果が期待できる小さな行動を紹介しました。
デスクワーク時にやること
- 定期的に立つ
- 姿勢を正す
- ストレッチ
休憩時間にやること
- 頭を休める
- 考えない
- 仮眠
- 歩く
- 散歩
こまめなちょっとした気分が良くなる行動を習慣にすることで仕事や副業のパフォーマンスが上がりますよね。
あとひとつ、運動習慣をつけることは在宅ワークをする人にとって大切かもしれません。
デスクワークと運動はよい相乗効果があります。
運動は、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動と筋トレなどの無酸素運動があります。自分の身体に合った強度の運動を意識すると生活全体にいい影響があります。
運動嫌いな人こそ、効果を早く感じられるのではないでしょうか。
歩くだけでもいいみたいです。
デスクワーカーには、この本を読むことをおすすめします。
とても読みやすくて運動のメリットが魅力的に書かれています。
まとめ
在宅ワークをする上で、座りっぱなし、運動不足、脳疲労が起きやすく、健康リスクを高めてしまいます。
座りっぱなしや脳疲労は、小さい心がけ、小さい行動で簡単に予防できます。
また、定期的に運動する習慣を身につけることで在宅ワークをする上での健康リスクはぐっと軽減して、健康を促進する良い効果が期待できます。
【参考】
スポーツ庁 Web広報マガジン|日本人の座位時間は世界最長「7」時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・ (sports.go.jp)