「将来のためにお金を貯める方がいいのは分かっているけど貯める余裕がない」
「お金の心配をモヤモヤと感じてはいるけれど、何をしたらいいかわからない」
貯金ができる人と貯金ができない人には1つ決定的な違いがあります。
それは「貯金する仕組みがあるか、ないか」です。
貯金は意志の弱さとは関係がありません。仕組みを作れば誰にでもできます。
毎月1,000円からできる、一番簡単な貯金方法を紹介します。
貯金体質になってしまえば、お金に対する漠然とした不安はなくなるでしょう。
貯金体質になるたったひとつの思考法「先に貯金額を決める」
貯金が自然にできる人がいます。
生まれつき「貯金体質」なのでしょうか?
いいえ、お金が貯まる人と貯められない人の違いは1つの考え方の違いにあります。
収入があったとき、貯金する金額を先に決めるか、決めないか、です。
「貯金できない」は人間の自然な姿
人間は、常に合理的な判断をする生物ではありません。
「本能」と「理性」という言葉で説明されるように、人間の脳は進化する前の「本能」を優先する部分と進化の過程でできた「理性」で思考できる部分があります。
考えることって脳にとっては新しいタイプの動きであって、エネルギーをたくさん使う重労働です。
「貯金するために節約しよう」
と、常に貯金のことを考えるよりも
「あ、この新商品おいしそう!」
と、コンビニのレジ横に陳列している新商品のポテトチップスを手に取る方が簡単なのです。
「月々の収入から余った金額を貯金にまわそうと思っているけど上手くいかない」
こんな風に感じるのは当たり前なのです。
買い物はほとんど毎日繰り返す習慣になっている行動ですよね。
習慣になっている「買い物」という行動について、脳はいちいち考えたりしません。
たくさんエネルギーを使うからです。
理性を使って、買い物の度に「肉まんを買うのは節約した方がいいのか、買ってもいいのだろうか」と「合理的な判断」をするということは脳にとって大きな負担になります。
だから、「節約したい」と思っているだけではなかなか節約は難しいし、貯金が難しくなります。
でも、「貯金をして安心して暮らしたい」と思うのも安心を求める人間の本能です。
本来、収入を得て豊かに楽しく消費しながら暮らすのが理想的ですよね。
「毎月赤字」「今月も生活費足りるかな」など、お金の心配をしながら暮らすのはストレスになります。
毎月、少しずつでも貯金ができれば急にお金が必要になったときに対応できますし、将来の生活費を準備することができます。
「本能的に目の前の利益を優先させる」という脳の仕組みを知ることで、対策は簡単にできるのです。
それは、1つの考え方を取り入れることです。
「貯める」を先に決めるだけで勝手に貯まっていく
人間の本能を上手にかわして「貯金体質」になるための考え方は「収入を得たときに、貯金額を1番先に決める」ことです。
例えば、月のお給料の手取り額が20万円の人がいます。
浪費体質の人は、まず「生活に必要だから生活費を17万円使おう」と考えます。もしくは、何も考えていないのかもしれません。
一方、貯金体質の人は「月に3万円貯めたいから、残りのお金で生活しよう」と考えて、先に3万円を貯金にまわします。
考え方の違いは、直接お金の使い方に直結してきます。
「毎月の支出額を先に決めるのではなく、貯金額を1番に決める」ことで、確実に貯金することができます。
「順番を逆にしたからといってどうにかなるものではない」と感じましたか?
先ほどの浪費体質の人は「月末に口座に3万円残るはずだから、それを貯金にまわそう」と思っています。
でも、久しぶりに連絡をくれた友達が「飲みにいこう!」と月末に誘ってきました。
……急なお誘いに生活費は残っていません。普通預金口座に3万円残っています。
引き出さないで友達の誘いを断るでしょうか?
わたしたちは、あるものでやり過ごそうとするので、残った金額を貯金に回そうと「思って」いても、目の前の必要や誘惑によってお金を消費する傾向にあります。
一方で、先に貯金額を決めて消費する前にお金をコツコツ貯めた人には複利が味方してさらに貯金額は増えやすくなります。
小さな違いは、時間の経過とともに圧倒的な差になります。
毎月たった5千円を貯金するだけでも年間6万円貯まります。
10年で単純に60万円です。
年利4%で複利運用していたら10年で72万360円になります。
積立期間 | 0.01%複利運用 | 4%複利運用 | 差額 |
10年 | 600,300円 | 720,360円 | 120,060円 |
20年 | 1,201,140円 | 1,786,680 | 585,540円 |
貯金について考えるとき、いつも思い出すことがあります。
筆者が社会人になりたての頃に、月1万円の積立貯金を窓口で申し込もうとしたときに、銀行窓口で対応してくれたお姉さんに
「月の積立金額を5千円多くして、月1万5千円にしてみませんか?」
と提案されたことがあります。
確かに、年間6万円も違うのです。
そして、月5千円くらいだったら貯金を増やしても生活できると思いましたし、実際生活にはなんの影響もありませんでした。
たかが5千円、されど5千円。
上記の表のように10年、20年と長い目でみると貯金した人としなかった人の差は大きいですね。
貯金額はどのくらいがいいの?成功する貯金額を決め方
月々の貯金額はいくらが適切なのでしょうか?
一般的な理想的目標はあります。
月収(手取り額)の25%です。
月収手取り額 | 月収の25% |
70,000円 | 17,500円 |
130,000円 | 32,500円 |
250,000円 | 62,500円 |
500,000円 | 125,000円 |
どう感じますか?
「多すぎる!」
「生活できない」
こんな風に思った人もいるのではないでしょうか。
ちょっと貯金をする気が薄れてしまった人は、目標や目的から貯金額を決めるのはどうでしょう。
目標金額を貯めると報酬があるので、貯金をはじめるのに効果的です。
「1年後に湯布院に温泉旅行に行きたい」
泊まりたい旅館の値段を調べたり、交通手段を決めたりしてワクワクしながら具体的な金額を決めることで実行力も強まりますし、旅行に行く前の楽しみを長く味わえます。
筆者は旅行が好きですが、旅行に行く前の「行ったらどんな感じで楽しいのかな」と想像している時間と移動時間が大好きです。
旅行本番より好きかもしれません。
具体的な目標やお金の使い道と期限を決めると、毎月の積み立てるべき金額がはっきりと分かります。
2泊3日の大分(湯布院)予算 | |
交通費 | 飛行機2万円(往復)レンタカー2万円(54時間)ガソリン代1万円 |
宿泊費 | 6万円(3万円×2泊) |
食費 | 2万円 |
雑費 | 1万円 |
お土産代 | 1万円 |
計 | 15万円 |
多めにざっくりと予算を組みます。
15万円あれば、理想的な温泉旅行が楽しめそうです。
1年後に15万円を貯める
月1万円×12ヶ月+ボーナス3万円=15万円
月1万円を旅行のために貯めて、ボーナスから3万円確保することなら楽しくできそうですね。
「続けられない」と悩む人にピッタリの貯金方法は「積み立て」
毎月の貯金が成功する考え方は「貯金額を最初に決めること」とお伝えしてきました。
貯金額を決めることができれば、貯金に成功したも同然です。
自分の意志のちからを使わずに自動的に貯められるサービスを利用すれば誰でも毎月お金を貯める仕組みがあるからです。
自動で手続きしてくれるサービスを利用しよう
「お給料日に貯金額を引き出して別の口座に移す」
自分でコンビニのATMにいって作業すると「忘れてた!」「引き出すのに手数料かかって損した」など、毎月作業するのが大変です。
銀行の「積み立て定期」を利用しましょう。
一度は利用したことがあるのではないでしょうか?
また、長期的にお金を貯めるのが目的なら積み立て投資信託を利用するのもおすすめです。
長期的とは10年以上使う予定のないお金を想定しています。
積立貯金や積立投信を利用するのに最も適している人は次のような人たちです。
「意志の弱い人」
「継続するのが苦手な人」
「3日坊主が得意、短距離走タイプ」
「貯金を続けられない」と思っている人こそ積極的に積み立ての仕組みを利用しましょう。
貯金したいのに、できない・・・・そう思っているのは意志の問題ではないのです。
意志の力を最小限に抑えて楽々お金を貯められる具体的な行動をとるだけです。
自分の性格や習慣を変える必要がないので「意志が弱い」と思っている人にこそ強制的に毎月定額を天引きしてくれる自動積み立て機能を利用することが1番合っています。
そして、早く始めればはじめるだけ時間の複利効果を利用できるので効率よくお金を増やせます。
今日が人生で一番若い日、ですよね。
さっそく、次の簡単にできるステップを試してみませんか。
積み立てをはじめる4ステップ
積み立てまでの行動をまとめました。
- 最低生活費を考える
- 積み立て金額を決める
- ボーナスや副業収入の振り分け方を考える
- 決めた金額の積み立てを申し込む
①最低生活費を考える
毎月いくらあれば生活できるか、計算したことはありますか?
ここでは、社会保険料や保険料、特別な支出は考えずに毎月生活できる最低金額を出してみましょう。
日常生活費 | |
住居費 | 家賃、住宅ローン、など |
水道光熱費 | 水道料金、電気代、ガス代など |
食費 | 自炊、中食費など外食以外 |
外食費 | 外で飲食したもの |
医療費 | 持病や通院の目安 |
交際費 | 友達や家族との会食、イベントなど |
通信費 | ネット代、スマホ代など |
娯楽費 | 趣味や娯楽にかかるもの |
被服・美容費 | 美容院代や服代など |
その他雑費 | 毎月支払っているもの |
日常生活費の項目は、自分の生活に合ったもので自由に設定してください。
普通に暮らしていくために必要最低限必要なものは人それぞれ違います。
また、無理に切り詰めることはここでは考えなくて大丈夫です。
今の生活に合った金額を知るために考えてみましょう。
②積み立て金額を決める
必要最低限の生活費を計算した上で、無理のない範囲で毎月の積み立て金額を決めます。
①で出した生活費に予備費をプラスした分は、確保しましょう。
無理のない金額を見極めることで、途中でやめずに続けられます。
「少ないかな?」と思うくらいがはじめる時にはちょうどいいでしょう。
- 月収の25%
- 月収の5%
- 旅行などのイベント予算と日程から金額を決める
- 目標貯金額と期限から逆算する
好きな方法で、無理のない金額を決めてみましょう。
上記は、ほんの1例です。
積み立ては、千円程度から始められるものもあります。
とりあえず千円、とハードル低くはじめるのもおすすめです。
③ボーナスや副業収入の振り分け方を考える
ボーナスや臨時収入、副業収入から貯金に振り分けられる分を考えてみましょう。
積立定期や積立投信には、ボーナス月の増額ができる商品もあります。
④決めた金額の積み立てを申し込む
ネット証券、ネット銀行での手続きが簡単です。
金額を自分で決めたらすぐに申し込みができます。
口座がある銀行や証券会社の積立商品をチェックしましょう。
(おすすめの銀行や証券会社はこちら)やり方を説明する記事とか?
決まった支出で暮らせるか「ゲーム」感覚で楽しもう
「貯金を差し引いた金額で暮らすゲーム」として日常生活費用を制限することを楽しむのはどうでしょう。
限られた予算内で生活をする、ということに慣れるとお金は自然にたまります。
節約や予算管理方法はたくさんあります。自分に合う方法を見つけてみましょう。
ストレスなく自然に生活できるようにできるといいですよね。
限られた予算内でやりくりするときに「住宅ローン以外に借金をしない」というルールを入れるとシンプルな家計管理ができます。
- リボ払い
- フリーローン
などは、お金を借りている状況なので利息として余計なお金を払っています。
できるだけ避けましょう。
貯金額を増やしたいなら収入を増やすことを考えよう
貯金するのが楽しみになってきたのではないでしょうか。
貯金に慣れてきて、もっと貯金額を増やしたい時は、自分にできる収入を増やす道を考えてみましょう。
今は、「副業」が誰でも始めやすい時代です。
自分にあった働き方を考えてみたら意外とすんなり収入が増えるかもしれません。
まとめ
「毎月貯金する金額を決めて、残りの金額で生活する」
この考え方を実践できる人は、簡単に貯金することができます。
「積み立て」の仕組みを使えば、自分の意志のちからと関係なく自動的にお金を貯められるのでストレスなく、自然に貯金体質になります。
お金の心配をすることなく安心して暮らしたいですよね。
毎月千円でもいいので、積立貯金を始めてみましょう。