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アインシュタインが発見!?老後の資金は「複利」で貯めよう

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「お金がお金を生む」

働いてお金を稼がなくても、お金が増える仕組みがあるといいます。

「複利効果」といいます。複利効果は、資産形成をはじめるために最初に理解したいお金の仕組みです。

資産をこれから増やしたい人は、お金を稼ぐと同時に、複利効果を利用すると、資産形成のスピードが早くなります。

「複利は人類最大の発明だ」と、かのアインシュタインが言ったという逸話があります。

本当にアインシュタインが言ったのかどうかは不明ですが、物理学の世界的権威であるアインシュタインも複利の力を認めた、ということがいいたくなるくらいインパクトがあるのかもしれませんね。

目次

「複利」はお金が増える基本の仕組み

「複利」という言葉を聞いたことがありますか?

お金を運用して出た「利益」を元のお金と合わせて、再度運用することを「複利」といいます。

複利(ふくり)は、「お金に働いてもらってお金を増やす」ことができる仕組みのエンジン部分です。

一番に挙げられる例として複利の代表的な商品は「定期預金の元利継続タイプ」です。

しかし、現在のマイナス金利政策下では、複利効果は期待できません。

なお、「複利」の反対は「単利」です。

「お金を運用して、利益が出た分は消費するために出金する」

得た利益を元本に加えないために、いつまでも元本は増えません。

よって、同じ金額を同じ期間運用していても複利で運用した額と単利で運用した額では最終的に金額が大きく変わってきます。

1回の運用益を「お小遣いとして使う」という選択は、小さな選択ですが、それを運用に再投資するのと、使ってしまうのでは長い期間を見ると大きな違いがあります。

複利の効果を知ると、運用益は再投資しようと自然と思えるのではないでしょうか。

お金を運用して増やしたい!と思う人にとって「複利効果」は、とても大事な考え方といえます。

定期預金の金利が3%なら誰もがお金持ちになれる!?

銀行の定期を作ったことがある人は「元利継続」という言葉を一度は見たことがあるでしょう。

定期預金を例にみましょう。

1970年代には8%を超える金利がついていました。

1980年代には3〜6%の金利が日本国内のどこの銀行に預けても、預けているだけでお金が増えていたのです。

普通預金1年定期預金
1988.02.060.26%3.39%
1989.11.060.50%4.32%
2022.10.100.001%0.002%

※1989年以前の金利:金融市況(金利等) 日本銀行 より

※2022年10月の金利:三菱UFJ銀行 金利一覧より

次に、100万円を3%で1年定期を継続していく場合を考えてみましょう。

単位:(円)

3%複利3%単利差額
1年目1,030,0001,030,0000
2年目1,060,9001,060,000900
3年目1,092,7271,090,0002,727
4年目1,125,5091,120,0005,509
5年目1,159,2741,150,0009,274
6年目1,194,0521,180,00014,052
7年目1,229,8741,210,00019,874
8年目1,266,7701,240,00026,770
9年目1,304,7731,270,00034,773
10年目1,343,9161,300,00043,916

100万円ずつ貯金額を増やしていったら

実際には、毎年貯金額は増えていくため、元本は利益分と新たに貯めた貯金のWパワーでふえていくでしょう。

毎年、100万円ずつ銀行に預けていたら10年間での複利の差は、120万円以上にもなります。

3%複利3%単利差額
1年目1,030,0001,030,0000
2年目2,060,9002,060,000900
3年目3,122,7273,090,00032,727
4年目4,216,4094,120,00096,409
5年目5,342,9015,150,000192,901
6年目6,503,1886,180,000323,188
7年目7,698,2847,210,000488,284
8年目8,929,2328,240,000689,232
9年目10,197,1099,270,000927,109
10年目11,503,02310,300,0001,203,023

1年分多くのお金が増えたことになります。

上の例では、3%の金利がつく定期、という設定を出しましたが令和時代、マイナス金利政策で日本の銀行の定期預金の金利はわずか0.002%です。

2022年現在の銀行金利でお金を預けていたらどうでしょうか。

0.002%複利0.002%単利差額
1年目1,000,0201,000,0200
2年目1,000,0401,000,0400
3年目1,000,0601,000,0600
4年目1,000,0801,000,0800
5年目1,000,1001,000,1000
6年目1,000,1201,000,1200
7年目1,000,1401,000,1400
8年目1,000,1601,000,1600
9年目1,000,1801,000,1800
10年目1,000,2001,000,2000

なんと、現在の銀行では金利が低すぎるために単利でも複利でも100万円では利息の金額に差ができませんでした。

しかも、10年定期預金に100万円を置いておいても200円しか利息がつかないのです。

マイナス金利政策が続いている中、物価は上がっています。

100円のハンバーガーは150円になっているなか、100万円が150万円にならなければお金の価値はどんどん減ってしまっていることになります。

今、銀行預金に預けておくことは複利のメリットがないどころか、お金の価値が減ってしまうというリスクがある行動といえます。

何もしない、が大きなリスクになる時代といわれています。

株式などの金融商品に投資することは、今の時代、とるべきリスクなのかもしれません。

株式の配当金の平均利回りは2〜3%です。

もちろん、株価の変動があるため資産は増減しますが、配当金を得て、再投資をしながら運用することができます。

「再投資」の複利効果で資産を増やそう

「お金を株式に投資して、利息や配当え増えたお金をまた投資に回す」

得た利益を再び投資することを、再投資といいます。

複利効果がある運用方法です。

複利効果は、金融商品に特有のものではなく「増えた分をまた増やすチャンスに投資する」という考え方で身近な行動でも得られます。

ちょっとした日々の心がけで、複利効果を実感することができます。

令和時代に入り、銀行の金利は0も同然の利率で、利息や金利の恩恵を実感できません。

お金を貯めるのが難しい時代ともいえます。

資産形成は、積極的に自分で投資していくことでしか感じられないとしたら、資産の少ない人にできることはあるのでしょうか?

複利の仕組みを利用した「再投資」の代表的な3つの方法をみてみましょう。

積み立て投資信託(分配金再投資コース)

まず、複利効果を利用した金融商品として代表的なものは投資信託です。

投資信託は、運用益が出た場合に分配金を口座に入金する分配金タイプと分配金再投資タイプに分けられます。

どちらのタイプを選ぶタイミングは、投資信託を購入するときです。

投資信託を積み立て式にしておくと、自動的に投資信託を購入することができ、元本を増やしながら分配金を再投資することで複利効果が期待できます。

無理のない金額を10年〜20年と長い期間にわたり積み立てることで、ゆるやかな資産形成が可能です。

国の年金運用も、投資信託を利用しています。

お金を運用するときの基本的な方法です。

個別株の配当金を貯めて、個別株をさらに購入する

自分で株式を購入して配当金をもらう場合、証券口座に振り込まれた配当金を貯めてまた個別株を増やしていく、という方法も複利効果を利用した運用方法です。

個別株は投資信託に比べて株価の変動が大きいため、元本の増減が激しくなりますが、会社の業績によって年1回以上の配当金を受け取ることが期待できます。

投資信託の場合、配当は出ないことも多く、コストもかかります。

個別株は、リスクも大きい分、再投資効果は高くなります。

ポイ活など「得した分」のお金を投資に回すつもり貯金

「得した分を貯金する」

「使ったつもりで貯金する」

こんな日常のちょっとした「つもり貯金」も理論上複利効果を利用した運用方法と言えます。

ポイントを利用した分、現金を貯金すると、ポイント利用分のお金を利益として投資する口座へ貯金をする。

毎月ポイント利用した分だけ現金を貯金にまわす。

日常の中で「得したな」「我慢して節約してお金が浮いた」といった金額が発生したらその分を投資に回す、という考え方はどうでしょうか。

このように「ポイントで得した分を投資に回せたらいいな」は、すでにサービスとして大手企業が商品化しています。

Tポイントやdポイント、LINEポイント、楽天ポイント、など多くの人が貯めているポイントが運用に利用できます。

企業のサービスを利用するか、自分で「つもり貯金」としてお金を動かすと、複利効果を利用して効率よくお金を貯められます。

再投資は、金融商品に投資する!といったことだけでなく、日々の生活に自分で取り入れて、複利効果を利用した貯金方法を自分で工夫してみましょう。

複利のメリットとデメリット

複利のメリットとデメリットをまとめてみましょう。

メリットデメリット
お金を増やす効果がある
長期間続ければ続けるほど、複利効果が高まる
細かくチェックしなくても運用が可能
時間がかかるため、効果が実感しにくいデメリット
続けないと意味がない
長期間資金が拘束されて動かせない
福利のメリットとデメリット

複利のメリット①お金を増やす効果がある

「お金にお金を生んでもらう」を実現できる力が複利にはあります。

複利という仕組みのメリットは「お金を効率よく増やすことができる」ということに尽きるでしょう。

世界的に有名な投資家であるウォーレンバフェットも、投資から得た利益をさらに再投資することを繰り返して巨万の富を得ています。

アインシュタインが言ったように「人類最大の発明」である複利の資金効率を高める効果は大富豪も利用する普遍的な法則なのです。

複利のメリット②長期間続ければ続けるほど、複利効果が高まる

複利の効果は、10年、20年と長期間続けるほど高まります。

元本が増えるため、同じ利率でも増えるお金が大きくなるのは当然ですね。

代々お金持ちの家系では、複利の効果が桁違いに大きいと言えます。

先祖代々資産を継ぐことで信じられないほどの大きな力になっていくのですね。

福利のメリット③細かくチェックしなくても運用が可能

長期的に計画をして、その通りに運用していくことで複利効果が出やすくなります。

そのため、一度決めた運用方針を長期間にわたって守ることが必要になります。

例えば、「この投資信託につみたて投資をしていこう」と決めたら10年同じ銘柄に投資していきます。

減っているときも、増えているときも、同じように投資していきます。

同じ行動を10年にわたって続けるため、投資についてあれこれと考えなくてもよい点がメリットになります。

複利のデメリット①時間がかかるため、効果が実感しにくい

「さあ、複利でお金にお金を増やしてもらおう!」

そう思っても、1年程度では全く効果を感じられないのが複利効果があまり知られていない原因なのではないでしょうか。

少なくとも効果が表れるのは2年目くらいからです。それも、最初の違いはほんの僅かです。

雪だるまも片手にのるような小さな雪玉から作り始めますよね。

この小さな違いが10年後の大きな違いを生む、ということを理解していないと人間は目の前のことを優先するのが本能なので、運用して利益を得た分を使ってしまいたくなります。

このように、時間がかかるため、複利効果を実感し資産を作り上げるのは難しく感じてしまいます。

福利のデメリット②続けないと意味がない

「継続」

続けることが得意な人はどれほど存在するでしょうか。

三日坊主という言葉があるように、長期間何かを続けるというのは言われるまでもなく難しいですよね。

しかし、複利効果は続けることにより効果を発揮します。

リーマンショックなどの恐慌が起こるときも、株価が好調で利益を確定したくなるときも、様々なやめてしまいたくなる理由を我慢して、続けるという忍耐力が必要になります。

これも、複利効果が「時間をかける」必要があるということを十分理解することで続けていく、もしくは忘れるくらい自動化しておくことで対策できます。

複利のデメリット③長期間資金が拘束されて動かせない

投資しているお金というのは、金融商品を購入しているため現金ですぐに使えない状態です。

流動性がないので「ないもの」として扱う必要があるでしょう。

急に必要になった場合の出費に備える現金をある程度確保しておかないと、投資資金を崩さなければならないことになり、複利効果が出せない可能性があります。

複利効果を期待すると、資金の流動性は低くなります。

効率よくお金を増やすということは、元本が大きいことが必要なため生活費や自由に使えるお金は少なくなるかもしれません。

複利効果を利用して「老後資金」を効率よく作ろう

複利効果を実感して上手に利用するには、10年単位の長い期間が必要です。

複利効果でお金を増やしたい人は、今すぐに使えるお金を増やすということではないのですね。

十分な資産をすでに持っている人以外は、老後資金など将来に必要なお金を増やすためにコツコツと運用資金を捻出することから資産形成がはじまります。

また、コストがかかって赤字になるような運用商品だと逆に雪だるま式に資金が減ってしまいます。コスト削減、いかにコストがかからずに運用できるか、に意識を向ける事で複利効果が高まります。

マイナス運用になると、複利効果が逆に作用して資金効率が悪くなる点に注意が必要です。借金の金利には、マイナスの複利効果があります。

プラスの複利、マイナスの複利、両方に注意を払いながらコツコツと時間を使って資産形成をはじめましょう。

老後まであと何年ですか?あと30年以上ある、または今はもう老後!という人もいると思います。

人生は、100年まで伸びるということも言われていますよね。

今、60代だったとしても、残り40年の人生が残されています。

「寿命100年の人生を自分が生きるかもしれない」

長い人生の資産形成は、これからの時代を生きる私たちに必要で、意識を変えて行動に移していく必要があるかもしれません。

まとめ

資産運用にあたり、重要な考えである「複利」。

複利効果が、お金を増やす仕組みの中で大きな役割を果たしています。

「複利」を知って、お金を再投資することで「お金がお金を生む」状態を作れた人は、老後資金も安心して貯蓄していくことができます。

また、少ない資産をまとまった老後資金に育てるためには長期期間の複利効果が必要です。

まずは、複利効果をはじめとしたお金に関する仕組みを知ることは大事ですよね。

あなたの大切な資産を、時間をかけて大きく育てていきましょう。

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