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時間が足りない!副業をやりたいひとの時間の使い方

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「時間がない」

「間に合うと思ってたのに締め切りに間に合わない!」

「1日が30時間だったらなあ」

こんなことを誰もが1度は思ったことがあるのではないでしょうか。

情報があふれ、可能性が無限に広がっているように思える現代において「時間を効率的に使う」という方法はもはや通用しないといいます。

タイムマネジメント術の代わりに、わたしたちは「時間の使い方」を根本的に見直す必要があるようです。

この記事では、2冊の時間の使い方に関する本を例に出して、時間管理について考えてみました。

目次

タイムマネジメントを考えるほど効率が落ちる!?

仕事に子育て、家事もしなければいけないし、寝る時間も確保して、運動もしたい。

全てをパーフェクトにこなして、健康的な生活を送るれる人は、現代においてどのくらいいるのでしょうか?

「わたしの時間の使い方が下手なんだ」

ずっとそう思って、時間管理術を探し求めている人も多いのではないでしょうか。

一時的に、時間を上手に使えている時期がある。

でも、それは「自分が時間をコントロールできている」という満足感であって、本当に時間を上手に管理できているかどうかは分かりません。

いったい、時間が上手に管理できているってどういう状態のことをいうのでしょうか?

2022年のベストセラーになった、時間について書かれた2冊の本に出会いました。

次の2冊です。

限りある時間の使い方 オリバー・バークマン著

YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術 鈴木 祐著

2022年のベストセラーの共通点は「自分を知ること」

2冊の時間管理についての本を読んだところ、スケジュールについて考えるよりも、まず「自分を知ること」の大切さがポイントとして挙げられていました。

共通点(2冊の概要)

時間管理をしたい!と思って読んだところ、2冊ともが「時間管理」そのものを問題にしていないことがわかりました。

2冊が共通していたことは次の通りです。

  • 「効率化メソッド」は「時間が足りない」の解決策にはならない
  • 「時間をコントロール」することはできない

2冊とも、対処療法的な「タスクをいかに多く処理するか」とか「大切なことを確実にやり遂げる方法」などのいわゆるタイムマネジメント術は役に立たないとはっきり主張することから始まっていたのです。

時間を効率的に使えたら、と誰もが思うのではないでしょうか。

しかし、いくら効率的に時間を使ってもタスクに終わりがないのです。

効率的に仕事をこなせる人のところに仕事は集まってきます。

ネットワークの発達によって、すでに一生かかっても知ることはできない情報に毎日さらされています。

YouTubeだけでも一生かかっても見れない時間分の動画がアップしているでしょう。

情報量が多い現代を生きるわたしたちに必要なのは、「効率的に生産性を上げる」ことではなく時間管理について根本的に考え直すことだといいます。

それぞれの本は、時間管理について対策を示してくれていますが、そこにも共通点を見つけました。

「自分を知ること」です。

情報が入ってくる、任される仕事をこなす、のではなく、限りある時間を自分はどのように使いたいのか、と意識的に時間の使い方を選ぶ重要性を2冊の本は教えてくれました。

アプローチはそれぞれ異なります。

哲学的、内省的な「限りある時間の使い方」と客観的に自分の時間の使い方を分析する「ユアタイム」、それぞれ面白い視点で書かれています。

簡単に内容について紹介します。

スクロールできます
本のタイトルアプローチ概要
限りある時間の使い方内省的
哲学的
4,000週間と限られた人生でできることを意識的に選ぶことの大切さ
YOUR TIME
ユア・タイム
客観的
物理的
自分の時間の使い方を「過去」と「未来」の視点から観察して時間の使い方を決めよう
本の内容のまとめ

限りある時間の使い方

「限りある時間の使い方」は、オリバー・バークマンというニューヨーク在住のライターが書いた本です。

本の帯が目を引きます。

「NYタイムズ、WSJ絶賛の全米ベストセラー!」
「ひろゆき氏、絶賛」

著者であるオリバー・バークマンは、イギリスの「ガーディアン」紙の特集記事担当記者であるといいます。
イギリスの権威ある報道賞である「オーウェル賞」にノミネートされた経験を持ち、外国人記者クラブ(FPA)において若手ジャーナリスト賞を受賞するなど、記者として優れた実績があります。

ライターとして多忙な毎日を送っているだろう著者が言う言葉にはより重みを感じます。

生産性とは、罠なのだ。

限りある時間の使い方より(p14)

効率的にこなし、生産性を高めることについに限界を感じた著者は、時間についての概念を根本的に見直したといいます。

数々のタイムマネジメント術を試した著者がたどり着いた結論は、次の3つです。

  • 時間は限られている
  • 時間と戦わない
  • 有限性を受け入れる

わたしたちが80歳まで生きるとして、何週間だと思いますか?

「4,000週間」だといいます。

ヒトが与えられている人生の時間を 週間で表現することから始まるプロローグに引き込まれます。

様々な著名人や文学作品からの引用を用いて、人類は産業革命で時間の概念が一般化した頃から「時間が足りない」と思い続けてきたことを論じることから始まる本書は、知的でありながら読みやすい構成になっています。

この本には、具体的な時間管理術はほぼ書いてありません。

それどころか、時間は管理できないし、管理しようとすればするほどコントロールできなくなっていく、とタイムマネジメントという概念自体を否定しています。

禅や「いまここにいる」という哲学的な話に触れて「時間が足りない」という感覚は自分の中にある心理的な問題も含まれていることを教えてくれます。

最終章である14章「暗闇のなかで一歩を踏みだす」で示されるのは「人生を生きはじめるための5つの質問」です。

自分に対して「時間をどう使うのか?」と問いかける内省的なアプローチこそが時間をうまく使う方法であると著者は伝えています。

YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術

「限りある時間の使い方」は自分の内側を見つめることを促す本でしたが、次に紹介する「YOUR TIME ユア・タイム: 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」(以下、「ユアタイム」)は自分を外側から見つめることをすすめる本です。

オリバー・バークマンさんは、ジャーナリストでライターですが、鈴木祐さんという本書の著者もライターでありブロガーです。

「日本一の文献オタク」と呼ばれるように、年に5,000本の科学論文を16歳の頃から読み続けている大変な知識の持ち主のようです。

アウトプットも凄まじく、1日2~4万字の原稿を量産しているといいます。

この本では、全ての人に効果がある時間管理術は存在しない、ということを様々な文献から導き出して論じています。

ですが、自分にあった対策をとることで時間と上手に付き合えるといいます。

フレーム時間軸時間不足の原因対策
想起過去想起のずれタイムログ
予期未来予期のずれタイムボクシング

時間の管理は脳が行っていますが、脳の認知は現実と大きくずれていることがあります。

この脳の認知の「ずれ」こそが、時間管理がうまくいかない原因にあるといいます。

未来を予期することが苦手なひと、過去を正確に思い出すことが苦手なひと、というタイプに分けて対策を教えてくれています。

どちらも、自分の行動を記録して正しく把握することがポイントです。

本から学んだことは「やりたいことをやる」術

「限りある時間の使い方」では心理的なブロックについて書かれている点に目が留まりました。

「不快なことから逃げない」

これは、第6章「本当の敵は自分の内側にいる」の内容です。

「なぜやりたいことをやりたくないのか」(127p)

時々、やりたいと思って始めたことなのに、抵抗感や「めんどくさい」という思いで行動ができないことがあるのが悩みとしてあります。

その理由が腑に落ちたのです。

この不可解な現象の答えは、何を隠そう、僕たちの有限性にある

限りある時間の使い方より(p128)

思い入れの強いからこそ、自分の限界を感じてその苦痛から逃げたいと感じるといいます。

時間が限られていて、短い人生ではうまくできないかもしれない

このような不安から本当にやりたいと思っていることに集中できない、という説に思い当たることがありました。

それだけ、やりたいことなんだな、と自分のことを少し知った気がします。

自分は万能ではなく、無力な人間だと認めて「できることをやる」しかないという諦めの気持ちは「今ここ」に通じて、集中して取り組めるという禅や哲学的な教えが紹介されています。

自身の「完璧主義」や「もっとできるはず」という思い込みと実際の自分の能力のギャップの存在を強く感じることになった貴重な本でした。

もっと、自分にできることは限られている、と考えて本当にやりたいことに集中したいと感じました。

まとめ

「時間をコントロールして上手に使いたい」

こんな気持ちを手放すことこそ、時間とうまく付き合う方法だ。という意見をあなたはどう感じますか?

今回、紹介した時間について記された2冊の本は、時間は管理するものではなく身を委ねてうまく付き合っていくものだと共通した主張を持っていました。

今回紹介した2冊の著者は、2人とも一流の知識と経験を持ったライターです。

あらゆる時間の効率化を試みただろう著者たちの結論に「時間を管理することはできない」という内容が含まれていることはとても興味深い点でした。

副業がやりたいけど、時間が足りない、と考えている人は、副業をやるために、何をやらないのか、を考える必要があるのではないでしょうか。

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