「やる気を出すことに集中する」 VS 「習慣になるまで続ける」
どちらの方が効率よく副業を続けていけると思いますか?
答えは「習慣になるまで続ける」です。
さらに、どちらも使って「やる気を利用して習慣化する」ことができたら、副業が自然に続きます。
やる気と習慣化の違いをまとめました。
やる気だけでは続かない!?やる気の弱点
やる気まんまんで副業のWebライターをはじめたものの、だんだん続けるのが苦しくなってきた……
これはWebライターをはじめて3か月くらいの実体験です。
最初は仕事を受注するのが楽しくて仕方なかったのに、気がつけば納期のプレッシャーの方が大きくなっていました。
このように、最初はやる気に満ちあふれて取り組んでいたことが、そうでもなくなることってよくありませんか?
やる気の正体は「脳の分泌液:ドーパミン」
いつも、積極的に「やろう!」という気持ちになっていたら毎日楽しいですよね。
やる気とは、どんな気持ちのことをいうのでしょうか?
「やる気」については、科学的に研究されており、今ではやる気の正体が明らかになっています。
やる気に満ちた気持ちになるのは、脳にある「側坐核」という部分が刺激されてドーパミンという興奮した気持ちになる神経伝達物質が分泌されるからです。
「気持ちの問題」は、実は「脳の問題」なのです。
脳を刺激してやる気をいつも出すようにできたら、いつもやる気に満ちあふれて仕事や生活を楽しめますね。
でも、やる気自体をコントロールすることは人の意識では難しいといわれています。
やる気に頼ると「3日ぼうず」で終わる理由
やる気は、人の無意識ゾーンを司る部位からの指令で湧き上がります。
「やる気を出せ!」と言われて、「はい、出します!」と出せるものではないのです。
気分は毎日変わりやすい
やる気は意識的にコントロールできないので「やる気があるからやってみよう」と何かをはじめても「3日ぼうず」で終わることがほとんどです。
例えば、お正月に「今年は5キロやせよう」とか「日記を毎日つけよう」と、目標を立てたことが1度はあるでしょう。
お正月の「今年の目標」がクリスマスの頃まで続いた経験はありますか?
90%以上の人の「今年の目標」は、春が来る前になかったことになる、という研究結果があります。
思い付きとやる気にまかせた行動は、続かないのが人間の自然な姿であるといえます。
脳は飽きやすい
また、人間の脳には「馴化(じゅんか)」という性質があり、新しい経験はすぐに慣れるようにできています。
たとえ、期間限定の「じゃがりこ ごま油味」が目新しくて購入しても、2回目には初めて買ったときの感動はありません。
前出の「今年の目標」もお正月にはよーし!と希望に満ちた目標に向けて行動したもののすぐに飽きるのは脳の「馴化」が起こっているからです。
脳には飽きる仕組みがあるので、対策と準備を計画することで、目標を達成しやすくなります。
やる気を出すにはたくさんのエネルギーが必要
やる気になることは良いことなのに、どうして飽きたり、気分が変わったりしてやる気がなくなるのでしょうか?
それは、やる気が出ている状態が脳にとっては大変な状態だからです。
やる気の源であるドーパミンは、興奮系の神経伝達物質です。
脳が興奮状態にあるとエネルギーを大量に消費します。
脳は睡眠で休む必要があります。
ずっと興奮したままだと「脳疲労」が起き、やがて限界がくると燃え尽きてしまいます。
うつ病や燃え尽き症候群の原因になります。
脳は、緊急事態に備えてすぐに省エネモードに入りたがります。
生存本能としては、脳を使うのは最小限にしてエネルギーを貯めておきたいのです。
習慣化が成功への最適解
脳は、やる気を出し続けることができません。
やる気はコントロールできないので、やる気に頼って目標を達成しようとすると、うまくいかない可能性が高くなります。
目標達成のためには、長期間の作業が必要なことが多いですよね。
継続が成功へのカギである、というようなことはいろんな分野で言われています。
継続するために「やる気を出す」以外の対策が必要です。
それが「習慣」です。
習慣を変えるには意識とエネルギーと時間が必要
脳科学者によると、物事を習慣化するためには約66日間続けることが必要であるといいます。
66日間、つまり、2か月と1週間続けたことが習慣になります。
人間にはホメオスタシス(恒常性)という仕組みがあり、習慣が変わらないように保つ性質があります。
例えば、体温を一定に保つ機能があり、人間の内部環境が変わらないようにしているのもホメオスタシスです。
習慣には、ホメオスタシスの性質が利用されていて脳が思考せずに行動を「癖」として行えるようになっているという仕組みがあります。
習慣を変えるということは、ホメオスタシスを崩すということです。完全に習慣を変えるには66日間、「習慣を変えたくない」という自分の脳と戦う必要があるという見方もできます。
新しい習慣を身につけることは、エネルギーも時間もたくさん必要な大作業です。
歯を磨くように生活に溶け込ませたものが習慣になる
習慣を変えるのは、脳や体内のホメオスタシスを崩す行為であり、大変な労力が必要な行為であることがわかりました。
一方で、新しい習慣が身についてしまえば歯を磨くのと同じくらい当然のことのように作業できるようになります。
習慣が身につけば、今度はホメオスタシスが新しい習慣を保つように機能してくれます。
さらに、時間をかけて継続していくことには「複利効果」が働きます。
目標に向かって1に0.1プラスする
何もしないで1に0をプラスしても変わらず1です。
1日ではわずか0.1の差ですが、継続はプラスではなく掛け算になっていくのです。
1日に0.1プラスを66日続けると593.35になります。(1.1の66乗)
差がどんどん大きくなり、差が広がるスピードは圧倒的に早くなります。
小さいことでも、プラスの事を習慣化することで人生をより豊かにすることができます。
人生が豊かになるおすすめの習慣を3つあげてみました。
習慣にするとよいこと3選
積み立て投資
インデックス型の投資信託を月々積み立て投資をすると、時間の複利効果を利用した資産形成が可能です。
株式の短期売買を繰り返し行うよりも、長期間のインデックス投資の方がリターンが良くなるという研究があります。
投資の本でも、一般人が投資をするならインデックス型の投資信託に投資するのがよいという論が多くあります。
副業
副業を続けることで収入を増やすことができるうえに、スキル・人脈・実績を育てることができます。
趣味で始めた副業が本業になる人や、スキルアップで収入が大幅に増える人もいます。
特に、WebライターやWebデザイナーなどのスキルを必要とする副業は、やればやるほど経験になります。
副業をしている人は労働人口の12%といいます。
そのうち、同じ副業を続けられる人はどれくらいいるでしょうか。
Webライターを始めた人の9割は1年続かないと言われています。
副業でも、続けている人は仕事への信頼感が高まり、仕事が集まります。
副業を習慣にして生活の一部にすることで、人生の選択肢が広がります。
運動
誰にとっても、習慣にすると健康によいのは運動です。
同時に、やった方がいいのに続かないもの第一位は、運動とダイエットではないでしょうか。
例えば、散歩を習慣にするなど定期的な運動を習慣にすると生活習慣病のリスクがぐっと低くなるようです。
複利効果ダイエットでも効果を発揮します。
アメ1個のカロリー10キロカロリーとして毎日1個のアメを食べると、1年のカロリー3,650キロカロリー余分に摂取することになります。
アメを食べる代わりに、毎日散歩30分で90キロカロリー消費する(体重60キロの人が3メッツの運動強度で歩いた場合)と1年で32,850キロカロリー消費できます。
脂肪1キロは、7,200キロカロリーです。
アメを食べた人は、脂肪が500グラム増え、歩いた人は4.5キロ脂肪が燃焼する計算になります。
その差は1年で5キロです。
さらに、運動した人は筋肉がついてさらに代謝が良くなる複利効果があるかもしれません。
運動を習慣にすると、脳機能向上にも役に立ちます。
運動は最もおすすめしたい習慣です。
散歩でもランニングでも筋トレでも、身体を動かすことで健康を維持できます。
やる気を利用して習慣化する
何かを始めたら、習慣になるまで66日かかります。
その66日の間、やる気を上手に利用しながら習慣を身につけられたら楽ですよね。
脳科学の知識を利用して、習慣化のプロセスを簡単にしてみましょう。
筆者が本で読んだ知識を総動員して習慣化するときのプロセスをまとめました。
- 目標を明確にする
- 習慣化する具体的な行動を決める
- やる気を出すあれこれを工夫しながら66日間続ける
- 次の目標を決める
①目標を明確にする
紙に書き出したことは現実になる
こんなことを聞いた事はありませんか?
やりたいリストやウィッシュリストと呼ばれています。
脳には「カラーバス効果」という性質があり、意識したものに意識が集中しやすくなるといいます。
達成したい目標を明確にすることで脳が自動的に目標を達成するために動き出します。
紙に書いて、紙を毎日見るところに貼っておくと効果的だといいます。
筆者は手帳を毎日見るので、はさんでおきます。
②習慣化する具体的な行動を決める
習慣化するためには、どんなときでも達成できる小さなタスクを毎日達成するといいと言います。
この方法はとても役に立っていて、あらゆることに使う「習慣」になっています。
「小さな習慣」という本を読んだのがきっかけでした。
とてもおすすめです。
③やる気を出すあれこれを工夫しながら66日間続ける
簡単なタスクを続けることすら飽きます。
なので、脳を飽きさせず、66日間習慣になるまで続けるための工夫が必要です。
そのときに、脳のやる気を引き出すあれこれを試すと楽しく習慣化できます。
例えば、こんなことです。
誰かとやる記録するSNSなどにアウトプットする場所を変えるやり方を変えるごほうびを設定する
④次の目標を決める
小さなタスクが66日で習慣になりつつあったら、次の目標を決めます。
このサイクルを小さく回していくことで何事も続けられるようになります。
もちろん、続かないこともあります。
そのときは、諦めずにまた小さく再開すればいつかは習慣になります。
気楽にやっていきましょう。
まとめ
やる気に燃えているときは、なんでも達成できそうな気分で楽しく目標に向かえますが、やる気自体はいつか燃え尽きてしまう性質の気持ちです。
習慣化するためにやる気を上手に使うことで、やる気がでた達成したい目標を長期間に渡って行動できるようになります。
継続できる体質になると人生が豊かになっていきます。
1つプラスになることを習慣化してみませんか。