HSPとは「ハイリー・センシティブ・パーソン」(Highly Sensitive Person)の頭文字をとった心理学用語です。
日本語に訳すと「敏感すぎる人」という訳語が多く見られます。
HSPである、という自覚を持った人が増えています。
人の気持ちや環境に敏感で、生きにくさを感じている人は、HSPの特徴を持っているかもしれません。
HSPは、心理学用語であり、精神医学としてはまだ認められておりません。
病気ではなく、性格の特性です。
自分を知るひとつのモノサシ、として利用するのがいいのではないでしょうか。
HSPという自覚がある人は、特にセルフケアが必要な人です。
日々を快適に過ごすための環境を内外から整えることがHSPが幸せに生きる秘訣。
人よりも感受性が豊かであるという利点を活かすために、セルフケアをこまめに行いましょう。
HSPの敏感さは人生を快適に過ごすためのバロメーターになる
HSPには「敏感すぎて生きづらい」というイメージが強く、「繊細さん」という言葉とともに広がったことで、なんだか付き合いづらい人や特に気遣いが必要な人、というあまりよくない印象がついているのではないでしょうか。
でも、それはほんの一面であり、HSPである自覚を持つことは自分にとって有用ですが、人に公言するよりも自分で自分をケアすることを覚えることで生きやすくなります。
HSPとは「敏感な性質を持っている人」のこと
アメリカの心理学者であるエレイン・アーロン博士が「HSP」という題名を出版したことで、HSPという考え方が世界的に広がりました。
HSPの特徴を持つ人に次のような差はありません。
- 男女差はなく、約1:1の割合で存在している。
- 人種による差はあまりみられない。
- 年齢による差はあまりみられない。
そのため、HSPは先天性の性質であり、生まれつき備わっているものだといわれています。
世界的にみて5人に1人がHSPではないかと推測されています。
自分がHSPかどうか、という診断は質問に自分で答えることで判断されます。これは、病名などではなく、あくまでも自覚的な性質であるということです。
HSPには4つの特徴があります。
DOES(ダス)とよばれる4つの特性は次の通りです。
Depth of processing | 情報を深く処理できる。慎重に行動する。 |
Overstimulation | 刺激に対して敏感である。刺激によって疲れやすい。 |
Emotional reactivity and Empathy | 共感力が強い。心の境界線が薄い。 |
Sensitivity to Subtleties | 五感の感覚が鋭い。光や音に敏感。 |
これらの特性は、HSPという言葉を知らなくても感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
また、内向型と外向型という性格分類を取り入れた次のような分類もあります。
内向型HSP | HSP |
外向型HSP | HSE |
刺激追求型HSP | HSS型HSP |
刺激追求型・外向型HSP | HSS型HSE |
HSS型、というのはHigh Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)の頭文字をとっており、刺激に敏感でありながらも好奇心旺盛で活動的な性質を特性に持ちます。
変化や新しい物事が好きで、探し求める一方で、傷つきやすさや敏感な性質も持ち合わせています。
常に自己矛盾的な性質を持ち合わせていることで次のような特徴があります。
- やってみたいと思ってすぐに出かけるが、人混みや音、光ですぐに疲れてしまう
- やる気はあるが、考えすぎて行動に移せない
- 明るくふるまって人と交流するのが好きだが、その後疲れて一人になりたくなる
- 好奇心旺盛であると同時に警戒心も強い
- やる気があるときとないときの差が激しい
HSPのメリット・デメリット
HSPだという自覚がある人は、その性質を受け入れてよりよく生きていけるように工夫したいですよね。
敏感であるという性質にはデメリットもあるかもしれませんが、メリットもあります。
特に、副業をやるために役に立つメリットが多いといえます。
メリットとデメリットを把握してみましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
気配り上手 危機管理能力が高い 想像力が豊か 情報を扱う能力が高い | 人と接するのがストレス 大人数がいる場所が苦手 外的刺激に弱く、疲れやすい 共感しすぎて、振り回されることが多い |
少人数の人または一人で仕事をする環境で、特に自分が過ごしやすいように整えた心地よい環境で働く副業の仕事をする、パソコンで情報を扱う副業などはHSP的にな性質を持っていると自覚している人にぴったりな仕事環境といえますね。
また、ストレスケアを人一倍意識してセルフケアを多めにすることで高い能力を発揮できるようになるといえます。
自分は疲れやすいんだな、という意識を持って頑張りすぎていることに早く気付くことで翌日の回復も早くなりますし、長期的に健康に活動できます。
自分は敏感だと思う人は、セルフケアを習慣化してみませんか。
HSPにおすすめのセルフケア
HSPの自覚がある人に有効なセルフケアのポイントは次の通りです。
- 何に疲れやすいのかを知り、仮説を立てて、言語化しておくこと
- こまめにセルフケアを日々にとりいれること
- 暮らしやすくなるための準備をしておくこと
具体的な対処方法として次のことを紹介します。
- 感情を書き出す
- ストレッチで体のサインをキャッチする
- マインドフルネスで脳を休める
- 目のケアをする
- 五感の不快感を感じたらこまめにケアする
自分の感情や思考にも気づきやすい、体調の変化に気がつきやすい
HSPである、という自覚がある人はHSPの感性を自分に向けて自分の状態に敏感にケアする「ご自愛精神」を大切にしたいですね。
感情を書き出す
感情を書き出すことで、自分の気持ちや体調に気づきやすくなります。
特に、人の感情に共感しやすいという特徴があるHSPの人は自分の感情なのか、人の感情なのかわからなくなることがあるのではないでしょうか。
ノートに書き出すことで、自分が感じたことと、人の感情に共感しすぎて影響を受けたことの違いが明確になります。
また、書くことを習慣にすると疲れているときやネガティブになっていることに気づきやすくなり「ゆっくり寝よう」とか「お風呂にゆっくり入ろう」という対処がとりやすくなります。
ストレッチで体のサインをキャッチする
感情を書き出すと、自分のメンタルの状態に気づきやすくなるのと同じようなことが身体にもいえます。
特に、頭を使う作業をしていると脚の先まで意識がいかなくなりがちです。
全身のストレッチをすると、肩こりや首のこり、座りっぱなしの腰やあしのむくみに気づきやすくなります。
仕事の合間や終わり、寝る前などにストレッチをしましょう。
マインドフルネスで脳を休める
マインドフルネスの状態になるために瞑想は有効です。
HSPは特に人の気持ちを気にしすぎて考えすぎる傾向があります。
でも、「あんなこと言ったから気分を害したかな」「こんなことしたけどよかったかな」といった対人関係の悩みは考えても答えがでないですよね。
脳はこのような答えのない悩みをぐるぐると考えることで疲労してしまいます。
考えをストップさせて一人の時間をゆっくり過ごすために瞑想をすると、余計な思考のぐるぐるから抜け出すことができます。
瞑想も習慣にとりいれたいですね。
目のケアをする
副業や自宅でパソコン作業をする人は特に、目を酷使している可能性があります。
目の疲れは、脳疲労や頭痛などのさまざまな体調不良につながっています。
- 蒸気でホットアイマスク
- あずきの力
目のホットパックを気軽にできるグッズを用意しておくといつでもリラックスできます。
生理中に目を酷使すると血液のめぐりが悪くなる?というようなこともあるので生理周期にも気を配りたいですね。
五感の不快感を感じたらこまめにケアする
HSPは、外側の刺激に対して五感が敏感です。
「うるさいな」と感じたら耳栓をしたり、イヤホンで騒音から耳を守る。
においが気になるな、と感じたらその場から離れる、いい香りでマスキングする、などの対策をとる
目が疲れたと思ったら休憩をとって遠くをみたり、ホットパックをする
寒いな、暑いな、と感じたらこまめに服の脱ぎ着で調整する
このようにちょっとした刺激を強く感じたらすぐにできることでケアすることがセルフケアとしてとても有効です。
今まで、周りに合わせて我慢してきたHSPの人は多いのではないでしょうか。
できるときには、自分で自分の反応に気づき、自分が心地よいようにこまめにケアすることを習慣にしたいですね。
まとめ
HSPは、「敏感過ぎる人」という特性を生まれつき持った人のことをあらわす心理学用語です。
HSPは敏感すぎる、敏感さん、等ネガティブな印象を自分でも持つことがありますが、刺激に敏感すぎるというデメリットがある一方で細かいところまで気が付くなどの社会で役立つメリットもたくさんもっています。
HSPの特性を社会や副業で活かしていくためには、セルフケアが重要です。
特にHSPにおすすめのセルフケアは、ちょっとした刺激を感じた時にすぐにケアできるこまめに自分をケアすることです。
副業に向いている特性を持つHSPの能力を健康的に発揮していきましょう。