セルフケア、という言葉は近年馴染みの深い言葉になっているのではないでしょうか。
時間が自由で、生活リズムが崩れやすい、副業を頑張る忙しい人にこそセルフケアが必要です。
厚生労働省が出している「心・健康」のガイドラインにも、セルフケアの大切さが書かれています。
セルフケアのメリット・デメリット、具体的にセルフケアの方法を紹介します。
副業を頑張る人にセルフケアが大切な理由
副業をはじめると、仕事を受注する立場のフリーランスや個人事業主として活動することが多くなります。
フリーランス、個人事業主は企業に雇われているわけではなく、個人で契約をして仕事をしているので、誰からも時間や仕事を強要されることがない自由な職業です。
しかし一方で、自由だからこそ仕事をやめられない、限界まで頑張ってしまう。休みがとれない、という悩みが発生することもあります。
本業に加えて副業を頑張る人こそセルフケアを上手に取り入れて、日々のケアをするといいことがたくさんあります。
セルフケアの効果が収入アップ直結する
副業は、頑張る分だけ収入が増える仕事が多くあります。
セルフケアが上手にできると、疲れにくく活力が維持でき、より多くの仕事をこなすことができます。
また、効率よく自分の能力を発揮できるようにコントロールできるようになるので、仕事の効率もアップして収入アップにつながります。
フリーランスは、体力が資本、という言い方がよくされますね。
体力、気力が充実していると、フリーランスはそれだけ仕事の量や質が高まり収入に直結しています。
「こなした分だけ収入がもらえる」のがフリーランスのメリットである一方で、セルフケアが大事な理由のひとつです。
自由度が高く生活が乱れやすい
副業は、どのくらい働くか、どんな仕事をするか、を自分で選べます。
自由度が高い一方で、仕事の保障はありません。
時間に融通が利きますが、セルフケアの意識をもってないと時間を確保できないですよね。
「いつ仕事がなくなるか不安」「クライアントの期待にこたえなければ」というプレッシャーを常に感じているのではないでしょうか。
プレッシャーから、毎日仕事をする、仕事をつめこむ、休みがとれない、といった状況になりがちです。
自分で仕事を詰め込み、健康やセルフケアが後回しになりがちです。
1日のうちに、こまめにセルフケアの時間をとったり、日常的にケアをする意識をもつだけでも、リラックス効果があります。
長期的に働くために健康の維持が欠かせない
会社員でも同じことが言えますが、「人生100年時代」と言われる現代の働く世代は、80歳くらいまで働く必要がある人が増えるといわれています。
長期的な健康を維持するためには、セルフケアが重要です。
病名がつくような病気になるまえに、自分の回復力や免疫力で健康を維持するためには休養がとても大切だからです。
長く働く時代、時間の使い方を上手にして活動と休養のバランスをとることで長く健康に働くことができます。
厚労省の基本方針に盛り込まれている「行動科学に基づいたセルフケア」とは?
厚生労働省のホームページでもセルフケアをしましょう、という啓発キャンペーンが行われています。
「セルフケアっていわれても何をしたらいいの?」
と疑問に思われる人は、一緒にセルフケアについてみてみましょう。
セルフケアは全人的な健康の実現をサポートする重要な動
セルフケア、とは文字通り「自分の世話を自分でやくこと」です。
調子が悪かったら休む、生活リズムを整えるために行動する、など自分を愛する行為とも言えます。
歯磨き、洗顔などは基本的なセルフケアといえますよね。
うつの状態になると、お風呂に入るのもおっくうになるといいます。
うつになる前にお風呂にはいる、体調が悪くてもできる限りのセルフケアを意識することで、ケアを放棄した悪循環を防ぐことができます。
健康を維持するためにはセルフケアが欠かせないのです。
厚労省の行動科学に基づいたセルフケアの指針は4つ
厚労省のHP(こころと体のセルフケア)でもセルフケアについての大切さが書かれています。
厚労省の掲げる「休養・こころの健康|厚生労働省」の基本方針として、「行動科学に基づいたセルフケアの推進」が設定されています。
(2)行動科学に基づいたセルフケアの推進
厚生労働省「休養・こころの健康」「行動科学に基づいたセルフケアの推進」より
行動科学とその具体的な適用法である行動療法は、運動や食事、喫煙や飲酒など、身体健康に直接影響する生活習慣行動だけではなく、感情のコントロール、不適応的な認知の修正、対人技術や時間管理など多くの問題に有効である。これらに基づいてセルフケアを行うことが、ひとりひとりが全人的な健康を実現する助けとなる。
具体的な方法としては、(1)達成可能な目標をたてる、(2)自分の行動や考えを観察、記録する、(3)望ましい行動を強化する、(4)望ましい行動をみちびくように環境を整える、など多くがあげられる。セルフケアを推進するために、行動科学の考え方や方法を普及することの意義は大きい。
行動科学というのは、「人間の行動を実証的に研究してその法則を明らかにする学問」をいいます。
行動科学の学問には、次のような分野があります。
- 心理学
- 社会学
- 人類学
- 精神医学
つまり、医学的な健康だけでなく人間としてよりよく生きることを目的としてセルフケアは人生の質を高めるともいえますね。
先ほど引用した厚労省の休養・こころの健康の基本方針「セルフケア」の中で具体的な方法として4つの行動が提案されています。
- 達成可能な目標をたてる
- 自分の行動や考えを観察、記録する
- 望ましい行動を強化する
- 望ましい行動をみちびくように環境を整える
4つを中心にさらに具体的なセルフケアの方法を次に紹介します。
おすすめセルフケア
一言で「セルフケア」といっても、さまざまな面があります。
身体のケアの他にも、生活習慣、心、など見方によってアプローチも変わってきます。
次に主なセルフケアの方法などをまとめました。
読んでみて、今あなたが「やってみたい」と感じるセルフケアからはじめてみませんか。
マインドフルネスで心を整える
まず、セルフケアで一番大切なのは「自分の体調や気持ちに気付くこと」
自分を知ること、といいかえてもいいでしょう。
仕事のことで頭がいっぱい
とにかく納期を間に合わせなければ!
こんなことを考えていると、自分の身体の状態は後回しになりますよね。
1日5分でも「今ここ」に向き合うことで自分の「今」の状態をチェックする習慣がつきます。
心や体調の不調に気付くことができます。
慣れてきたらどんどん上手になりますよね。
自分と向き合う記録をつける
記録をつける、という行為自体に自己効力感が上がる効果があります。
記録の継続だけで「自分にはできる」というポジティブな自信をつける効果があることが研究で明らかになっています。
何を記録しますか?
セルフケアのために実際に役に立つといわれている記録内容には次のようなものがあります。
- 体調管理
- 家計簿
- 感謝の日記
- できたことの記録
内容よりも、記録を継続すること自体にメリットがあると考えられています。
マッサージを日々の習慣にする
足の裏をじっくり見ることってありますか?
足の指を1本ずつ動かすことができますか?
自分の身体のことを分かっていると思っていても、足指の先まで意識が生き届いている人は少ないのではないでしょうか。
特に、デスクワークやパソコン作業が続く人は自分の身体を触る機会が少ないですよね。
足の裏には、「メカノレセプター」といわれる感覚を司るセンサーが多く集まっており、身体のバランスを整える大切な機能が備わっています。
お風呂に入ったとき、布団に入ったときなどに足の裏をもむ習慣をつけることからマッサージをはじめましょう。
足の反射区をマッサージすることで首や肩など全身のケアにもなります。
肩こりや頭痛は身体全体のこわばりからくることも。
ストレッチもいいですね。
運動も立派なセルフケア
運動はセルフケアとして優秀です。
身体だけでなく、心理面やストレス面にもいい影響があり、さらに身体も丈夫になるので、健康的な好循環がうまれます。
運動は、はじめるまでは億劫ですが、はじめてしまえば気持ちがよいですよね。
睡眠は最も重要なセルフケア
睡眠はセルフケアの中でも重要です。
だれもわたしたち大人を寝かしつけてくれないからです。
寝る時間はほとんどの人が自分でしか決められませんよね。
「あと少し仕事をしてから寝よう」
「今日は疲れたから1時間早く寝よう」
どちらにするのかは自分次第です。
そのため、自分の睡眠の傾向を知ること、セルフケアと健康において大切です。
睡眠の質は、生活の質に深く結びついています。
食事のセルフケアは食べないモノを決めることから
食事が健康に直結していることは、イメージしやすいのではないでしょうか。
テレビでもネットでも、「あれを食べるといい」「これを食べたら〇〇に効果がある!」など飽きるほど情報が入ってきます。
でも、毎日実践するのは大変ですよね。
「どんな食生活を送ったらいいかわからない」
という人は、まず「食べないものを決める」というセルフケアはどうでしょう。
足し算ではなく、引き算の健康法です。
身体にいい食べモノは無数にあり、サプリメントも含めたら無限ともいえそうですが、身体に悪い食べ物をいつもの食生活から引き算することの方が効果があります。
- 甘い飲み物を減らす
- 揚げ物を食べない
- 砂糖の摂取量を減らす
- カフェイン量を気にしてみる
など、万人の健康を向上させるのは「身体にいい食べ物」ではなく「悪いものを減らす」ことではないでしょうか。
自分の胃に負担がかかっている食べ物を1つ減らすのも自分の内臓をいたわる大切なセルフケアになります。
まとめ
近年、セルフケア、という言葉はますます注目を浴びています。
厚生労働省もセルフケアをすることで、こころと身体の健康を維持する大切さを発表しています。
本当に小さな行動でも、自分をいたわる時間になります。できることからはじめてみませんか。
副業やフリーランスなど生活や仕事を自分でコントロールする人は、特にセルフケアの意識を持つことで活動と休養のバランスが上手にとれるようになります。