人生の成功にもっとも必要なのは、頭の良さではなく『誠実性』である
ヤバイ集中力 P5より
冒頭から引き込まれる文章であっという間に読める「ヤバい集中力」という本を紹介します。
集中力が副業にはかかせません。
副業は限られた時間でいかに効率よく結果を出すか、が大事だと思いませんか?
ただでさえ忙しい毎日の中で、副業の作業をコツコツと続けるには集中力が不可欠なのです。
人間の心理や脳のメカニズムを根本から解説した上で信頼性が高い論文から集中力を高めるテクニックを教えてくれる本書は副業の大きなヒントになるでしょう。
集中力をいかに高めて持続するかを信頼できる論文から具体的に教えてくれる本
ヤバイ集中力の著者は、ヤバイ頭脳をもったライター
著者の鈴木祐(すずき ゆう)さんは、ライターであり、多数の書籍を出版しています。
本書の裏表紙に書かれている著者の紹介文の一部を紹介します。
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。
ヤバイ集中力 プロフィールより抜粋
ライターとして執筆するのと同時にブログも運営している著者自身も、本書の集中力を高めるテクニックを利用しているといいます。
その理由は次のように説明されています。
1日に平均で15本の論文と3冊の本を読むと同時に、2万~4万字の原稿を毎日のように生産し続けなければならないからです。
ヤバイ集中力 P8 より
この本を書いている著者の毎日読んで、書く量が「ヤバイ」ですね。
このように、実際に集中力を高めてインプットとアウトプットを続けている著者の書く文章には説得力があります。
本書の内容は、著者が読み続けている世界中の論文の中から信頼に足る研究結果を集めて効果的なものを選んで紹介されています。
自分で調べる手間を省いて効果的なことだけを教えてくれる本書は、時間も手間もかからない大変コスパのよい読書だといえますね。
「ヤバイ集中力」は、毎日大量のインプットとアウトプットを繰り返しているヤバイ著者が実践している実用的なメソッドを教えてくれるお得な本です。
ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45
また、鈴木祐さんの書籍「ユアタイム」も、ひと味ちがった時間管理についての本で、副業の時間の使い方を考えたい人におすすめの一冊です。
本書のポイントは自分の内側にいる「獣」と「調教師」の関係を理解すること!
「ヤバイ集中力」は、45ものメソッドが紹介されている実践的な内容となっています。
「全部覚えて実践するのは難しいな」と感じる人もいるかもしれません。
本書では、45のメソッドを読みやすい構成ですんなり読めるよう工夫されているので安心して読み進めることができました。
本書は序章を含めて7つの章で構成されています。
目次
- 序章.獣と調教師 ~ポテンシャルを400%引き出すフレームワーク~
- 第1章.餌を与える ~脳の馬力を高めるサプリと食事法~
- 第2章.報酬の予感 ~脳内ホルモンを操る目標設定の奥義~
- 第3章.儀式を行う ~毎回のルーティンで超速集中モード~
- 第4章.物語を編む ~セルフイメージを書き換えて「やる」人間になる~
- 第5章.自己を観る ~マインドフルネスで静かな集中を取り戻す~
- 第6章.諦めて、休む ~疲労とストレスを癒すリセット法~
ポイントとなるのは序章の「獣と調教師」です。
わたしたち人間の集中力がどうして欠けてしまうのか?
その理由を、「獣と調教師」というイメージしやすい例を使って説明しています。
獣(辺縁系、衝動)=本能、パワフル、並列処理
調教師(前頭前皮質)=理性、直列処理、弱い
獣は、人間の本能的な欲求をつかさどる脳の部分をさしています。
本能に素直に従い、眠い時に眠り、食べたい時に食べて、ダラダラしたかったらいつまでもダラダラとする、サバンナのライオンのような生活がイメージできます。
一方、調教師は論理的に考えることができ、結果を出す行動を起こすことをつかさどる脳の部分をさしています。
理性的判断ができますが、判断力を使うのにエネルギーを大量に消費します。
そして、パワーは獣に絶対に勝てません。
パワーの比較
獣 >>> 調教師
自分の生活を振り返っても、その通りだなあと感じます。
眠い時は眠気に勝てないですし、ダラダラしてしまうときはどうしてもしてしまいます。
このように、獣と調教師が自分の内側にいるというイメージしやすい例を使って本書全体の説明をしているので、どの章から読んでもすっと理解できる構成になっています。
序章でまとめられているないような次の3点です。
第1の教訓:調教師は獣に勝てない
第2の教訓:集中が得意な人など存在しない
第3の教訓:獣を導けば莫大なパワーが得られる
ヤバイ集中力 P43:序章
この例を理解していれば、本書はどこから読んでも面白く読めるので、スキマ時間に気軽に読めるでしょう。
人間は誰でも集中力が苦手である、という励ましの言葉とともに、本書を読めば著者と同じような集中力がみにつく(!)という魅力的な内容になっているといいます。
実際、心理面、身体面、記録や目標設定など多角的に集中力を高める方法が紹介されており、自分にもできるかもしれない、と自己効力感を高めてくれる1冊です。
ヤバイ集中力45のメソッドからとくにおすすめの3つを紹介
紹介されているさまざまなメソッドの中でとくに良いと感じたのは次の3つです。
- タスク管理法
- マイ儀式を作る
- マインドフルネス
タスク管理法
本書では、ゲームの難易度に例えて丁度良い目標設定の難易度を決めることが集中力を高めて継続して作業に取り組める方法として取り上げられています。
獣が作業に喜んで取り組むように、作業にちょうどよい難易度のタスクを盛り込むという考え方がとても役に立ちました。
その難易度は「難しすぎず、優しすぎず、ちょっと頑張ると達成できそう」というレベルだといいます。
タスク管理法のポイントは次の4つです。
- 「難しすぎず、優しすぎず、ちょっと頑張ると達成できそう」な難易度のタスク設定をする
- 1日のタスクは5個まで
- リバースプランニングを使ってタスクの難易度を管理する
- 質問型アクションを利用して行動を促す
1日のタスクは5個までにする
獣はあまり多くの情報を処理するとキャパオーバーになってしまいます。
1日のタスクは最大5つまでに絞るといいようです。
タスクの設定方法は「リバースプランニング」
リバースプランニングとは、最終的なゴールを決めてから逆算でタスクを作ること
目標に向けてタスクを考えるよりも、ゴールから考えるとより最短で目標に到達できるといいます。
「1年後に10キロ走れるようになる」
「半年後、5キロ楽に走れる」→「3か月後3キロ余裕」→「1ヶ月後には、1キロ走ってもつらくない」→「1か月、毎日1キロ以上走る」
リバースプランニングは、未来の目標が具体的にイメージできることでより具体的なサブゴールが設定できるのがメリットです。
「難しすぎず、優しすぎず、ちょっと頑張ると達成できそう」という獣のやる気を引き出せる難易度までタスクを分解するために利用できます。
質問型アクション
面白いと感じたのは「質問型アクション」という方法です。
自分が行うタスクを記録する際に、「(自分の名前)は、15日13時にPCの前に座ってヤバい集中力の書評記事を書くか?」と、具体的な日時、行動と共に、質問形式の文章に変換して記入します。
獣は、問いかけ文により強く反応するといいます。
自分ゴトとして捉えられる質問の力は「問いかけ行動効果」という心理現象として多くの研究結果で効果が認められているといいます。
質問型アクションを利用してタスク管理を記録するときのポイントは次の通りです。
質問型アクションのポイント
- 自分の名前を主語にする
- タスクに具体的な【日時・場所・行動】を書く
- 最後に?になる疑問文で書く
例)「華子は、9月13日19時に自宅でヨガマットを敷いて、40分ヨガをするか?」
マイ儀式を作る
「作業をはじめる前になんとなくダラダラしてたら2時間経っていた」
こんなことはありませんか?
副業をはじめるために机に向かうの避けて、なんとなくネットをみたり、お茶をのんだり、とできるだけ作業にとりかかるのを先延ばしするときがあります。
「ヤバイ集中力」では、すぐに作業に集中するためのメソッドとして、マイ儀式を作る、という考え方が紹介されています。
儀式を作るポイントは2つです。
- 「この動作をしたら大事な作業に取り組む」と決めておく
- 決めた手順を何度も繰り返す
細かい儀式の作り方のポイントは第3章に書かれています。
マイ儀式の例
PC作業にとりかかるためのマイ儀式を2つ紹介します。
- 作業用メガネをかける
- 作業用音楽を流す
作業用メガネをかける
ブルーライトカット60%のオレンジ色のレンズが入った軽いメガネをかけます。
視界の色が変わって、PCに向かう気になりますしメガネを変えるという動作で「やるか」とモードが切り替えられるようになりました。
作業用音楽を流す
作業用のyoutubeアカウントを作り、作業用音楽のみを登録します。
作業をはじめるときに、音楽を流して気分を切り替えることで自然に作業にとりかかることができます。
25分作業用のポモドーロをつけると「25分だけやろう」と行動を起こすことができるので気に入っています。
マインドフルネスで集中力を回復させる
第5章では、マインドフルネスについて科学的論文を根拠に複数の方法が紹介されています。
マインドフルネスというと「瞑想」がよく例に出されますが、それ以外の方法も含み「今、ここに意識を集中させる」という集中力を高める技術でもあります。
今、自分がやっていることに全集中を向ける
この状態がマインドフルネスであり、自分がやっていることを「観察する」スキルでもあります。
本書では「デタッチド・マインドフルネス」という方法が紹介されていて、獣の衝動をやり過ごす効果があるといいます。
獣はあらゆる刺激に反応する特徴があり、一度食べ物の写真などをみて「腹がへった!」というスイッチが入ると瞬時に何か食べたいという意識に乗っ取られてしまう、というようなことを「衝動」と表現しています。
獣の衝動を含む「感情コントロール」には、「自分を見つめる」という作業がかかせません。
イメージの力を使って自分を見つめる方法が実践的で役に立っています。
作業時間にふと飽きてしまったとき、作業に意識を向け直すために、自分の内側にイメージをもつ「牧草地のメタファー」がお気に入りです。
牧草地のメタファー
イメージの中で、飽きてしまっていう事を聞かない牛(本能)を広い草原で遊ばせる
必ず効果があるというわけではありませんが、本能が自由にしているイメージをもつだけでもリラックスして作業に戻れることがあります。
疲れ切って限界のときは第6章の「諦めて、休む」ようにしています。
「疲れたら甘いもの」は科学的には間違っている?!
「自我消耗」という意志力が落ちる状態は、「頭に糖分が不足しているから」という考え方がありますが、最新の研究では「糖分と意思決定力には関係がない」という結論が出ているようです。
「疲れたから糖分を補給しよう」というのは、エネルギーの問題ではなく、感情コントロールに関係しているといいます。
どんなに意志力を使っても、脳のエネルギー消費量は変わりません。
甘いものを食べたらやる気が戻った、というのは獣の気分が糖分の刺激によって切り替えやすくなったという意識や感情の切り替えから起こるようです。
むやみに糖分を補給しても、意志決定力が戻るとは限らないというのが次の科学の常識になっています。
獣(本能)といかに上手に付き合うか、という意識を忘れずにいたいですね。
本とオーディオブックの両方で内容を理解
本書は、オーディオブックで読むのにふさわしい本でもありました。
多くのメソッドを紹介してくれる本なので、どこから聴いても面白く聞けるからです。
序章で説明されている、集中力を切らす「獣」と理性を保つ「調教師」の例を理解しておけば、短時間だけ聞くことができるので、通勤時間やスキマ時間に楽しめます。
- 途中でやめても分かりやすい
- メリットやデメリットが分かりやすい
- 戻ったり、聴きたい個所が選びやすい構成
ぜひ、オーディブルで聴いてみてください。
【オーディブル】ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45
まとめ
「ヤバい集中力」を読むと、集中力を高める技術が手に入ります。
人生で成功するには、頭の良さよりも集中してものごとに取り組む能力の方が大事である、といいます。
本書には、獣(本能)と調教師(理性)という誰にでもイメージしやすい例を通して、心理面、食事、タスク管理や休憩のとり方まで幅広い視点から集中力を高める方法が紹介されています。
あなたにも取り入れやすい方法がたくさんのっていると思います。
オーディブルでも聴きやすく、どこから読んでも役に立つ本です。
「ヤバい集中力」を手に入れて、副業の作業効率をあげましょう。